見出し画像

『STEPNがLINE Blockchainへ移植されたら起きること。』~【新しいWeb3ビジネスのアイディアのタネ】2022.8.10

■STEPNが「LINE Blockchain」上で開発へ、LINEがFind Satoshi Labと覚書締結

LINEの独自ブロックチェーン「LINE Blockchain」上で「STEPN(ステップン)」が開発されることが分かった。LINEの暗号資産事業およびブロックチェーン関連事業を展開するLINE Xenesis(ラインジェネシス)が8月9日発表した。

これは予想外でした。

確かにSolana、BSC、Ethereumに続く第4realmの話題がTwitterで急に語られだしたのが3日前くらい。それよりもGMT Earnに「虹靴」「虹GEM」という新仕様が投入されることの混乱の方が話題の中心でした。突然の第4realm、しかもなんと日本人にとってはなじみ深いLINEだと。

STEPN自体は全体的に大暴落していますし、第3のEthereumチェーンを追加しても特に盛り上がらずあっという間にシューズ価格もGST価格も暴落してしまいました。

そんな中でまた新たなチェーンへの移植話。しかもそれがLINEだと。
このままではゲーム性の構造改革がされていない中でチェーンだけ増やしてもまた同じ轍を踏むだけなはずですが、もしかすると別のいいことがあるかもしれません。


■LINE Blockchainとは?

LINE BlockchainはこれまでのSolana/BSC/Ethereumと異なり、LINEグループが開発するプライベート型のブロックチェーンです。

もはやよく知られていることですが、STEPNではチェーンがパブリックである意味がほとんどありません。シューズNFTも基本的にゲーム内でオフチェーンで管理されますし、歩いてEarnできるGSTトークンもSpendingにある間はただのゲーム内ポイントです。

Walletの中にDEXを内蔵して他の通貨との両替をしたり外部にシューズNFTを持ち出す際にブロックチェーンを通るだけなので、「外界との窓口」がありさえすればブロックチェーン技術自体も不要だったりします。

それよりも、外界と窓口=Walletを通じたやり取りをする際にSolanaはよく詰まる、Ethereumはガス代が高い、という方が問題です。

LINE Blockchainがプライベートチェーンだからなぁ、はSTEPNもほとんどオフチェーンだからなぁ、と同じであまりこだわるべきところではないように思います。


■LINE Blockchain採用での「いいこと」

プライベートチェーンだから、を棚上げ出来たら、実効的にいいことがいくつか思い付きます。

処理速度アップ

プライベートチェーンならではの処理速度の高さは魅力です。SpendingとWalletを行き来するやりとり操作をすると、Solanaだと遅いときは半日かかっていました。

WalletもプライベートチェーンならもはやSpendingとWalletに分ける意味もないかもしれません。システム的には同じ場所に置いてしまうこともできそうな気がします。

中央集権的な問い合わせ対応が可能に?

シューズが迷子になったりEarnしたはずのGSTが不当にBot判定された際に「問い合わせ対応」で修復できる可能性が生まれるかもしれません。中央集権管理ならでは。

もちろんLINE Blockchainもブロックチェーンなので改竄変更は困難な運用がされているとは思いますが、それでもチェックはしやすいはずですし、最悪自社の判断でロールバックしたりハードフォークしたりすることもパブリックチェーンよりはやれる余地はなくはない。(実際はやらないでしょうが。)

日本語対応する?

各種表示や説明が英語だったこれまでと異なり、生粋の日本向けサービスとしてリリースされるなら日本語表示が増えるかもしれません。

操作性はシンプルなので英語であってもあまり困りませんでしたが、例えばこれまではメンテナンス予告がUTC時刻で表記されるため日本時間だと何時なんだろう?といちいち検索していたのが、直接日本時間表記になるかもしれません。これだけでもちょっと便利。

日本国内法的に適法に?

今までも別に明らかに違法というわけではなかったという解釈ではありますが、STEPNの中で最もグレーだなと感じる部分は「賭博法違反」疑惑です。

シューズNFTをMintする際に市場価値が低いRunnerが出る可能性が一定程度あることが「喪」に当たるのではないか、とか、Gem3つを合成して上位のGemにアップグレードできるかを挑戦する通称「パリチャレ」も失敗すると素材Gem+GSTを失い、成功すれば市場価格で数倍の価値を得るというのも賭博っぽい。5足をBurnしてレアリティの高い1足にEnhanceするのも、レアリティ2段階アップが成功しなければ数万円の損失が出る市場環境ですから賭博っぽい。

もしこれらの仕様がそのままでLINE Blockchainで日本国内向けに正式リリースされた場合、賭博法の問題はないと判断されたと見做していい、のかな。

国家・自治体ぐるみでSTEPNを活用?

一番期待したいのはコレです。

実は国や自治体もウォーキングアプリを出しています。

しかし多額の税金を使っていながら、まったく流行っていません。

もしSTEPNにこの「健康ポイントアプリ」のために確保されている予算を「外貨」として投入されたら、STEPNの経済設計が大幅に改善する可能性があります。

これまでのSTEPNはユーザーが投じたお金を奪い合うゼロサムゲームでしかない、というのが最も大きな問題でした。そのためポンジスキームの誹りを受けていたわけですが、年間の継続的な予算が国家や自治体から投じられ、その予算をEarn原資とできればユーザー間の奪い合い&早逃げ競争という構造を変革することができます。

2022年5月22日の動画なので現状のSTEPN大崩壊時代より前ですが、YouTubeでしゅんさんが期待しているとおっしゃっていたのも外貨としての国家予算・自治体予算がSTEPNのEarn原資になる状態です。

「健康ポイントアプリ」という全く普及しないものに税金を使うならSTEPNに投じた方が効果はあると思いますし、web3を国家戦略に!を本当にやるなら(STEPNがweb3なのか、LINE Blockchainがweb3なのかはともかく)web3を国家が後押ししていることをわかりやすく表現できて世界からクリプト投資を呼び込むきっかけにもなるんじゃないかと思います。


■たぶんただのチェーン移植だけど、期待したい!

実際にはLINEを使おうが明確な日本仕向けでサービス提供されようが、STEPNはSTEPNです。どんどん複雑になるEarnルールでは新規にはお勧めしづらく、そんなに流行らないとも思います。

それでも期待したい!STEPNで健康実感を味わいながらEarnも楽しめるのは体験してみないとわからないものですし、日本国内法の適法状況を確認するリトマス試験紙としても注目しています。

まだLINE Blockchainでのローンチ時期は未定のようですが遠からず出てくるのだと思います。別アプリになるきがするので、両方インストールできるなら試してみたいと思います。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?