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『CryptoNinja Partnersに5種類目の新キャラ登場。NFTを交換してキャラチェンジする「バー忍」の秀逸さ』~【新しいWeb3ビジネスのアイディアのタネ】・Web3ニュース2022.6.19

今日は『CryptoNinja Partnersに5種類目の新キャラ登場。NFTを交換してキャラチェンジする「バー忍」の秀逸さ』に注目!


おつかれさまです。モリプトタツヤです。

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■CryptoNinja Partnersに新キャラ「兎」登場&新機能「バー忍」

もう日本を代表すると言っていいでしょう「CryptoNinja」のジェネラティブコレクション「CryptoNinja Partners」から昨日とてもユニークな発表がありました。

22,222点を発行するNFTコレクション「CryptoNinja Partners (以下、CNP)」が、発売1ヶ月で流通総額1,200ETH(日本円で1.8億円相当/2022年6月18日時点)を突破。販売者である株式会社バケット(本社:東京都新宿区、代表:秋山慎治)は、NFTのバーン(焼却)と新キャラクターのNFT発行を同時に行う独自システム「バー忍」を、新機能として公開いたします。

なんと、初めに買ったNFTをバーンすると新キャラクターのNFTにチェンジするという新機能です。


■「バー忍」は市場価格を上げながら新キャラNFTを追加する秀逸なマーケティング手法

現在、リリース済みの4キャラクターはほぼ同等の割合で発行・流通していますが、今回5体目となるキャラクターをリリースし、「バー忍」を行うことにより、22,222点の内訳は変化。今後も新キャラクターの投入や、キャラクターを進化させるシステムの開発を予定しています。

最初「パンダ」「ヘビ」「鷹」「幽霊」の4種類のキャラクターで発売されたあとに5種類目のキャラクターを登場させるなら、通常ならシンプルに5種類目のNFTを追加販売するはずです。

しかしNFTは希少性によって値段が変動する性質があるため、5種類目の新キャラのNFTをこれまでと同じ割合個数=22222÷4種類=5555個ものNFTをシリーズに追加すると価値が希薄化してしまう恐れがあります。

また新キャラの方が魅力的だと感じることにより旧シリーズの価値が下落する恐れもあります。

つまり初期から応援してくれているオーナーたちに金銭的なダメージを与えてしまう恐れがあるため、単純なキャラ追加という方法は悪手です。

そこで今回の「バー忍」では手持ちの1体をバーンすることで新キャラと交換するという手法を取っています。これなら全体量は変わりませんし、市場原理からフロア価格に近い安値のものがバーンされて新キャラに交換される可能性が高いため、コレクション全体の「時価総額」は高まる方向に働くはずです。

「バー忍」目的のためにフロア価格近くのものの買いが進み、直近の取引量とフロア価格の上昇が期待できるという効果もあるはずです。

つまり初期から応援してくれているオーナーたちに金銭的なメリットを享受することができる良手です。素晴らしいマーケティング手法。


■イケハヤさんのVoicyで「バー忍」を詳しく説明

イケハヤさんのVoicyでこの仕組みの新しさや実現できる理由などが詳しく語られています。

なかでも「キャラクターごとにレアリティが設定されていない」ことが5種類目を登場させられる大きな理由だとしていることが非常に興味深く感じました。

あとから高レアリティのものが登場するのはスマホゲームでは一般的で、戦力インフレがゲームの寿命を縮めることはよく知られています。今回の「バー忍」ではレアリティが高いわけではないという位置づけにしているため、意図的な価格差が発生しづらい仕組みです。

もちろん素体の人気の偏りやジェネラティブのデザインマッチの良し悪しなどで市場価格が結果的に大きく差がついてはいますが、運営が意図していないというのは非常に大事です。

先述の「総量22222体を増やさない」「相対的に不人気なNFTが新キャラに置き換わるように働く」という既存オーナーを大事にする姿勢が一貫しています。

今後さらに新キャラが追加されたり、CryptoNinja Partners派生の新コレクションがリリースされる予定です。その時にCryptoNinjaシリーズは運営が既存オーナーを大事にするというブランドイメージが確実に効いてくるはずです。市場価格や暗号資産相場は変動するものの、運営はシリーズ価値全体を維持・上昇させる発想しか絶対にしないという安心感はどんな市況の中でも買いやすいはずです。


■進化するNFT、交換するNFTなど続々

「バー忍」は非常に理にかなったユニークなNFTのリリース方法だということがよくわかりました。

これまでは「買う」「持つ」「売る」が中心だったNFTに、「バー忍」によって「交換する」という流通方法が追加されました。

最近ではこれら以外にも「進化する」という手法も試されています。

Dynamic NFTという、外部データと連動してNFTの見た目が変わるというものです。

具体的にはポッドキャスト番組をたくさん聴く・番組に投稿して読まれるなど能動的なアクションをすることによる評価でNFTの見た目がランクアップするという仕掛けです。

このリリースのNFTでは会員証の側面が大きく売買する想定がないのですが、ゲームのアイテムなどに応用した場合、育てて進化させることで価値が向上するという可能性や楽しみ方も作ることができます。


NFTの交換といえばOpenSeaが「SeaPort」という新しい取引方法を発表しています。

同意があればNFT同士の交換や、NFT+イーサリアムという取引方法もできる、という販売プロトコルのようです。

この取引方法をはじめから前提としたジェネラティブNFTコレクションがあっても面白いと思います。つまりイーサリアムだけでは買えず、必ず特定のNFTコレクションのどれかを持っていないと売買できないルール。

OpenSeaが提供する機能なので売買するユーザーの意志でこのルールを守るしかない(スマコンで強制できない)というのが弱いところですが、わらしべ長者ゲームっぽい遊び方はできそうです。


■NFTのランダム性はどこまで許容されるのか?

少し話が飛びますが、法律面は少し気になります。

「バー忍」ではおそらく新しく入手できる新キャラのNFTがどんな見た目になるのかはランダムだろうと思います。

NFTが空けるまで中身(見た目)がわからない「リビール」などもランダム性、ある種のガチャ要素です。

「NFT福袋」も多数のNFTから3点がランダムで入っているというガチャになっていました。

賭博とは一般に「偶然の勝敗により財物や財産上の利益の得喪を争う行為」(西田典之『刑法各論』第3版弘文堂・362頁)と解釈されています。したがって、但書も含めて「賭博」行為を構成する要素(「構成要件」と言います。)を再整理すると、次の4点になります。
 ①偶然の勝敗により
 ②財物や財産上の利益の
 ③得喪を争うこと
 ④賭けの対象は、一時の娯楽に供する物ではないこと

今NFT界隈で実装されているものが日本国内法において賭博に該当するかは個別事案ごとに異なりますが、新しいNFTの提供方法を検討する際は賭博法に引っかからないかの検討は欠かせません。

 2022年3月30日、自民党デジタル社会推進本部 NFT政策検討PT(平将明 PT座長)より「NFTホワイトペーパー(案)~Web3.0時代を見据えたわが国のNFT戦略~」が公表され、NFTと賭博罪についての論点は、「NFTビジネスの賭博該当性をめぐる解釈の整理」という形で第1番目に取り上げられました。

と、立法整備する必要性が取り上げられていますが、現時点では確定しておらず、今のところ用心に越したことはないというのが実情です。

 日本でも多くの事業者が類似したサービスの提供を試みているが、このようなサービスに関する賭博罪(刑法185条)の成否が明らかではないため、事業者の間に萎縮効果が発生し、その結果、NFTビジネスの発展が大きく阻害されている状況にある。
 このようなサービスの賭博罪の成否については、これまで法務省を始めとする関係省庁からその見解が示されたことはなく、事業者が委縮し、新しいNFTビジネスに取り組むことを阻害している状況が継続している
(※7頁3(1)ア)

「バー忍」のような新しいアイディアがWeb3の道を今切り開こうとしている人たちから安心してもっとたくさん出てくるよう、法制やガイドラインの明確化、そして厳しすぎる規制の緩和を強く求めたいと思います。

※本稿は「バー忍」の法的な課題を指摘することが目的ではなく「バー忍」の仕組みが大丈夫だと明確に言える状態を望んでいるものです。ランダム性にしてもプロ野球カードでレアなカードが出てメルカリで数万円で売られてもOKだけどNFTだとダメとかおかしいですよね。

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