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『USJハロウィーン「ゾンビ」PRに「BeReal」活用。”SNSハブ”という広告商品が今後のトレンドに』~【web3&AI-テックビジネスのアイディアのタネ】2024.9.6

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■USJハロウィーン「ゾンビ」に新展開 “通知→2分以内に撮影”人気アプリ「BeReal」活用

 ユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ、大阪市此花区)は2日、秋の学生応援キャンペーン『ユニハロ』概要を発表した。櫻坂46メンバー出演のテレビCM展開のほか、人気アプリ「BeReal」を活用した新たなSNSキャンペーン「#ZOMBEREAL」を実施する。

BeRealがユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)と組んだ「#ZOMBEREAL」キャンペーンが発表されました。

BeRealは、1日1回ランダムに通知が来て、その瞬間の自分と周りを飾らずに撮影するSNSアプリです。今回のキャンペーンでは、その「リアルタイム性」を活かして、2分以内にゾンビとの写真を撮影して投稿するという、スリル満点の体験が提供されています。ユーザーはその投稿をSNSにシェアすることで、プレゼントが当たるチャンスもあるという参加型のプロモーションです。

USJのハロウィーンイベントでは、BeRealの特性を活かして、パーク内の「ゾンビ」と一緒にリアルタイムで撮影し、SNSに投稿するというユニークなプロモーションが行われます。

BeReal広告市場参入。”SNSハブ”広告商品を展開

BeRealは先日、広告市場への参入を表明しましたが、今回のUSJのケースを見ると、アプローチが従来のSNS広告とは異なります。

通常のSNSプラットフォームは、ユーザーを増やし、そのユーザーに対して広告を見せるというビジネスモデルが一般的です。例えば、FacebookやInstagramでは、フィードに企業の広告が表示され、ユーザーは広告を「受け取る」だけの存在になります。

しかし、BeRealが展開しているのは、BeRealユーザーに広告を直接見せるのではなく、SNSプロモーションのハブになるという新たな形の広告プロモーション商品です。

BeRealは、ユーザーが自分のリアルな日常を投稿する場として定着しており、そこにあからさまな広告が混ざると、アプリ本来の価値が損なわれる可能性があります。そのため、企業のメッセージをユーザーに直接伝えるのではなく、ユーザーが自主的にSNS上で企業のプロモーションを拡散する「ハブ」としての役割を担う方が、BeRealのブランドイメージにも合致しています。

メディアを通じた広告との違い

従来のメディア広告は、テレビや新聞、ラジオなどを通じて一方向的に情報を配信するものでした。企業は大量の視聴者や読者に対して商品やサービスを宣伝し、それを「見る・聞く・読む」ことがユーザーに求められていました。メディア側が情報を発信し、消費者はそれを受け取るだけというスタイルです。

このモデルには、短期間で広範囲にリーチできるというメリットがある一方、消費者が広告に対して受動的であるため、エンゲージメントが低いというデメリットもあります。視聴者や読者は、広告を意識的に見るというよりも、ただ流し見していることが多く、記憶に残りにくい傾向があります。

一方で、BeRealを活用したプロモーションは、ユーザーが自分の意思でコンテンツを生成し、それをSNSで共有するという能動的な参加を前提としています。企業が直接広告を見せるのではなく、ユーザーが自らブランドやイベントを広めていくという形です。これにより、単なる広告視聴よりも深いエンゲージメントが生まれ、ユーザーの記憶にも残りやすいでしょう。

SNS投稿キャンペーン型プロモーションとの違い

これまでにも多くの企業が、SNS上での投稿キャンペーンを実施してきました。たとえば、ハッシュタグを使った写真投稿キャンペーンや、リツイートキャンペーンなどがよく見られます。これらのキャンペーンでは、参加者が自らのSNSアカウントでコンテンツを投稿し、キャンペーンの拡散を助ける形になります。

しかし、BeRealを使ったプロモーションは、こうした一般的なSNSキャンペーンとは異なるいくつかの特徴があります。まず、リアルタイム性が挙げられます。BeRealではランダムに通知が来て、その時の瞬間を撮影する必要があるため、投稿タイミングが統一され、短期間で集中して話題が広がる効果があります。これは、いつでも自由に投稿できる一般的なSNSキャンペーンにはない特徴です。

また、BeRealは飾らないリアルを重視しており、ユーザーが編集やフィルターをかけた洗練された写真ではなく、そのままの自分をシェアすることが求められます。このため、企業が伝えたい「リアルな体験」がユーザーのコンテンツに自然に反映されやすく、SNS上での共感や信頼感を生み出しやすい点も違いです。

広告メディアになろうとするサービス展開との違い

多くのSNSプラットフォームは、一定数のユーザーを集めた後に、そのユーザーに対して広告を表示するビジネスモデルを採用しています。たとえば、InstagramやTwitterでは、ユーザーがフィードをスクロールする際に広告が挟まれたり、ストーリーズに広告が表示されたりします。これらのプラットフォームは、「広告メディア」としての機能を担い、企業はそこに広告を出稿する形でユーザーにアプローチします。

しかし、BeRealのアプローチは異なります。BeRealは広告メディアとして直接広告を配信するのではなく、ユーザーが広告の「媒介者」として機能することを前提としたモデルです。

ユーザー自身がリアルな体験を投稿し、それがSNS上で拡散されることで、企業のプロモーションが広がっていきます。この方法では、ユーザーが主体的にコンテンツを作成するため、広告に対する反感が少なく、自然な形でブランドが浸透するという利点があります。

まとめ

今回のBeRealとUSJのコラボレーションや、BeRealの広告市場への新たな参入は、SNSマーケティングの新しい形を提示しています。従来のメディアを通じた広告や一般的なSNS投稿キャンペーンとは異なり、BeRealはリアルタイム性とユーザーの主体的な参加を重視し、ユーザー自身がプロモーションの拡散役を担う点が特徴です。

自社サービスのユーザーに単に広告を見せるのではなく、ユーザーとの双方向の関わりを深め、ユーザーがブランドを広めていく、「SNSへのハブ」としての役割を果たすのが、BeRealのような新規ネットサービスでの広告商品の設計の仕方としてトレンドになりそうです。

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