見出し画像

『伝統芸能×メタバース「一般社団法人伝統文化創造推進機構(伝創)」を応援したい!』~【新しいweb3ビジネスのアイディアのタネ】2022.11.28

■【みんなで囃そう!狂言公演】のメタバース動画公開!~伝統芸能(狂言)を学びながら 最新技術「メタバース」に触れ楽しむ~

伝統芸能×最新テクノロジー、いい組み合わせですよね。
普段興味を持っていない人に知ってもらう良い作戦だと思います。

今回ご紹介するのは、一般社団法人文化創造推進機構、略して「伝創」さんが出しているプレスリリースから『狂言×メタバース』の事例です。

残念ながら既にリアル舞台の方はこの土曜日に終演してしまったのですが、PR用に制作された「メタバース動画」は今でも見ることができます。

こんな感じで結構おもしろい挑戦をしているのですよ。
でも伝創さん、ちょっぴりPRが下手みたいなんです。応援の気持ちを込めて今回は伝創さんの取り組みをピックアップしてみました。

まずは「狂言×メタバース」の取り組みからご紹介します。


■「狂言×メタバース」現代人の想像力を補うメタバースの活用方法

その動画がコレです。約12分。

前半は「蝸牛」(演目名としてはカギュウ。カタツムリのこと。)という狂言の冒頭5分を、メタバース上で狂言師の中村修一さん他が演じられています。

後半は中村修一さんが狂言の演目内容などを非常にわかりやすく説明しています。


メタバースは狂言のお笑い要素を現代人が空想する手助けに有効

歌舞伎や浄瑠璃などいろんな伝統舞台芸能の中でも狂言は「お笑い」に分類されると聞いたことがあります。

お笑いだから敷居が低くて気軽!格式張った伝統芸能だなんて思わず気軽に見てごらんよ!

と無邪気に宣伝されることがままありますが、ニュースやドキュメンタリーで一部を目にした時も
何言ってるかわからん。言葉も世界観もわからんから何が楽しいかわからん。
というのが正直な感想でした。

なぜ分かりづらいのかの理由を紐解いていったところ、その解決策としてメタバースやXR技術との相性の良さがよくわかりました。


・どういう場所なのか一目瞭然

狂言初心者にとってどういうシーンを演じているのか、時代背景は、など空想力が追い付かないのが取っつきにくい理由のひとつです。

舞台で蝸牛の狂言を見たら、そこには竹藪のセットはありません。でもメタバースでは落ち葉が敷き詰められた竹藪の奥深くだということが一目瞭然です。


・字幕で言葉がわかる

次に言葉の問題です。

独特の抑揚と言葉遣いの古い日本語は、日本語ネイティブであっても何を言っているのかさっぱりわかりません。しかしこの動画のように字幕で書き起こされているのを読むとかなりわかりやすく感じました。

加えて、この動画では重要なシーンで注釈が入ります。

「蝸牛」をとってくるよう主人に命じられた太郎冠者

現代語で時々入るこの注釈がわかりやすさをかなりアップしています。映像演出としても面白いですね。


・奥に巨大なカタツムリがいる(笑)

狂言「蝸牛」この動画部分序盤のストーリー
・主人にカタツムリを取ってこいと命じられた「太郎冠者」。
・しかし太郎冠者は「カタツムリ」を知らない。
・主人は「頭に黒いものが乗っている」「たまに角が出たり引っ込んだりする」「背中に殻をしょっている」「大きいものだと人間ほどのサイズになる」というヒントを与えた。
・竹藪で「山伏」が疲れて寝ているのを発見。
・山伏は「頭襟(ときん)」という黒い箱のような帽子を被っている。
・太郎冠者は「あなたはカタツムリですか?」と尋ねたところ、悪乗りした山伏がカタツムリのフリをし続ける。ほら頭に黒いの乗ってる、ホラ貝ラッパ持ってる、人間サイズ、などなど悪ふざけ。

そんな太郎冠者と山伏のやり取りの奥に、超巨大なカタツムリがずっと映ってます(笑)

全体的にリアリティの高くないメタバースの画質も相まってむしろ笑いがこみ上げてきます。(このへんのクオリティも図らずもなのか狙って脱力させたいのかw)

この風景や可笑しさを舞台上で想像するのは最初は難しいでしょう。

こんな感じで、狂言・伝統芸能の取っつきにくいと感じる部分がメタバースや映像表現で解消されていて、お笑いの部分がきちんと笑えるようになります。

カタツムリを来客の贈答用として長寿の滋養強壮のために「料理」しようとしている主人。知らないおじさん(山伏)を踊りながら連れて帰ってきた太郎冠者はどうなったのでしょうか(笑)

続きはリアルな舞台で!

と動画はここで終わってしまいます。まんまと続きが見たくなりました。


■続きの舞台ではAR・MRで見られると良いな

この続きは本物の狂言舞台で、となっているのですが、字幕なし、背景映像なし、カタツムリのCGなし(笑)にいきなり放り込まれるのはやっぱりハードルが高く感じます。

いきなりこのステージ、この服装、この独特のせりふ回しですからね。せっかく続きのオチが気になったとしても、これについていくのは大変です。

「AR蝸牛」なら超見てみたい!

ARグラスをかけると字幕が見え、風景が変わり、奥にカタツムリがいる!みたいになれば、メタバース狂言の映像を見たあとの続きとしてはちょうどいい階段が踏めるんじゃないかなと思いました。

自宅でYouTube映像を見るのではなく、現場に行ってリアルに見る価値が相当高い演出だと思います。実現は大変だと思いますが伝統芸能の敷居を圧倒的に下げるばかりか新しい楽しみ方の創出になると思います。


■伝創Twitterフォロワー11人…攻めの姿勢を応援したい!

普段うちのnoteは「web3」「NFT」「メタバース」などのキーワードを学習させて思いっきりweb3系に偏らせたGoogleアプリがオススメしてくるニュースの中から記事のネタを見つけているのですが、今回は少し違う方法を試してみました。

プレスリリースのキュレーションメディア、PR TIMESの検索ボックスで「NFT」「メタバース」などと検索してみたところ「一般社団法人伝統文化創造推進機構から出たリリースが目立ってたくさん出てきたのです。

この伝創が出した過去のリリースはどれも「先進技術の活用・融合」によって日本の伝統文化に馴染みのない人たちの注目を集める作戦のオンパレード!

能舞でバッハ、セットリスト1曲目が「仮面ライダー」、いろいろ攻めてます。

付随展示も

●きものアート展示即売会
       新進気鋭のきものアート、きものNFTデザイナーや京都染織産業のインテリアアート作品、
墨絵、辻ヶ花染などの作品を展示。 

まったく説明なく「きものNFTデザイナー」という言葉が登場するジャンプっぷり。NFTやってるなら言ってよ・・・

どれもやろうとしていることは面白そうなんですが、PR下手っぽい・・・
どのプレスリリースも引用しづらくPR TIMESの外に広がらない独特な書式、Twitterもアカウント開設したものの上手に使えてません。

フォロワー11人(私含む)・・・
攻めたコンテンツはマーケティングのプロがいれば国内のみならず海外向けにもしっかりリーチできるはず!私も陰ながら応援していますのでぜひ皆さんも応援してください。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?