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『NVIDIA、ゲーム攻略情報専用AIアシスタントを発表。AIがゲームをする日に起きること』~【web3&AI-テックビジネスのアイディアのタネ】2024.6.5

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■AIがゲーム攻略Wikiになる時代がやってきた

ゲームが得意なお兄さんは、やがてレガシーな存在になりそう…。

台湾で開催中のCOMPUTEX 2024にて、NVIDIAがAIアシスタントに関するいくつかの新機能を発表しました。そのうちのひとつ「Project G-Assist」は、なんとゲームの攻略情報を教えてくれるというもの。

NVIDIAがゲームの攻略方法を教えてくれるAIアシスタントを作ったぞ、というニュース。確かにWeb上にアップされている攻略情報を要約してチャットボットにしゃべらせれば実現できるでしょう。

Project G-Assistは、音声orテキスト入力とゲーム画面のコンテキスト情報を認識し、AIビジョンモデルに渡します。モデルにはゲームの情報に関する膨大なデータにリンクした大規模言語モデルがあり、ユーザーからの質問を理解し、テキストもしくは音声で回答を返してくれます。

NVIDIAが今回作ったゲーム専用チャットボット「Project G-Assist」も、想像通りWeb上のゲーム関連情報で学習させたLLMを使ったものです。

いまどきらしくテキストだけでなくゲーム画面(画像または映像)での情報入力を認識するマルチモーダル対応です。アウトプットはText to Speechによる音声のみとしています。

しかし、こと「ゲーム攻略情報」という分野については、未来のAIアシスタントはもっとすごいことができるはずです。


AI自身がゲームプレイして学習する未来が見える

とあるジャンルに専門特化した学習データを持つLLMはゲームに限らずたくさん登場しましたが、いずれも人間が収集し公開した情報を一次情報とし、AIはそれらをまとめて要約、二次情報として返すのみです。

ゲーム攻略情報を答えてくれるAIチャットボットは、既存のゲーム攻略メディアの競合になりますが、ゲーム攻略メディアがAIによって駆逐されてしまうとAIの学習元がなくなってしまうため、通常は共存を図る必要が出てきます。

しかし、ゲームについては、AI自身がゲームをプレイして一次情報を収集することができるのではないかと思います。

AIは、ゲーム画面を認識する「目」の能力を既に得ています。
ゲームを操作する「手」は、特にPCゲームであればキーボードやマウスなどのキー入力の電気信号を送ることができます。

マニュアルやチュートリアルもあり、YouTubeやTwitchなどゲーム実況配信動画もある昨今、プレイの仕方を学べる材料も揃っています。

攻略情報として欲しい「このボスを倒すのに最適な武器・防具の組み合わせは?」などは主に数値のパラメータの組み合わせを最適化することが解となるのでAIの得意分野です。

つまり、AI自身がゲームをプレイして一次情報を作ることが、技術的には可能になるだろうと思われるのです。

以下、AIがゲームプレイできたらこんなゲーム攻略サイトができるだろう、妄想の例です。


最新作をAIがプレイ、自動で攻略サイトを作る

ゲーム攻略メディアの中にある攻略情報は、人間のゲームプレイヤーが発見した情報を自ら投稿したり、他のプレイヤーに質問して答えてもらった情報などで出来上がっています。

いろんなプレイヤーのいろんなゲームスタイルから得られる情報を集めているからこそ、多様な攻略方法のバリエーションが編み出されるわけです。

であるなら、AIプレイヤーが人間に成り代わって大量投入されたら、人間が情報収集するのと同じかそれ以上のデータを集められるはずです。なにしろAIプレイヤーは24時間プレイし続けますし、無数のプレイヤーを用意することも可能、そしてプレイして得られたデータを逐一完璧に記録します。


質問に実プレイで回答するAI

博報堂が7,000タイプのバーチャル生活者をAIで用意し、インタビューやリサーチをこの7,000人のAI相手に行うソリューションを発表して話題になりました。

同じように、7,000タイプのゲームプレイヤーを用意してゲームを攻略させて情報収集させれば、あっという間にバリエーション豊かでデータも精緻なゲーム攻略情報が作れます。

初心者から上級者、最速プレイから序盤でレベルMaxを目指すタイプまで、いろんなスタイルのプレイヤーを用意することで、自分のプレイスタイルに最も合った回答が得られるようになります。

質問すれば実際にAIがその場でプレイして見せてくれる、というゲーム攻略サイトは便利でしょう。自分の腕前に合わせて再現可能な操作方法を見せてくれて、コツを言葉で説明してくれる。これは最高です。

現状そんなゲーム攻略サイトは見たことがありませんし、実現は困難でしょうけれど、AIプレイヤーなら実現可能です。


AI台頭以後、ゲーム攻略サイトはコミュニティメインに

情報に関してはAIが非常に強く、キーボードやマウスの操作ならプログラマブルなのでAIで代替できてしまう。目の前で実際にプレイしてみてくれる最高の攻略情報が得られるのが、おそらくかなり近い未来に迫っています。

そんな時代にゲーム攻略サイトに求められるのは、人間のプレイヤー同士をつなげるコミュニティとしての機能でしょう。

たんに攻略情報を得る目的ではなく、同じゲームを楽しんでいるプレイヤー同士がつながることがメインになっていくはずです。

ただしかし、ディストピア的な妄想をするならば、「人間だと思っていたゲーム友だちが実はAIだった」なんてことも起きるかもしれません。

加藤「ドラクエのゲーム内で仲良くなって、結婚したんですよ。ドラクエ婚
宇多丸「きっかけそれですか!? ドラクエ10?」
加藤「10ですね。もともと知ってる人ではあったんですけど、ゲーム内で初めて喋って」
宇多丸「ゲーム内で共同作業をし」
加藤「鳥山明先生のデザインした、ウエディのあの姿に恋をして(※ウエディ:ドラクエ10内のキャラクターメイクで選べる種族の一つ。魚のような姿をしている)」
宇多丸「ははは(笑)。ゲームプレイの仕方にも惚れた?」
加藤「惚れましたね! 私は職業が僧侶だったので後衛で、夫は武闘家とかバトルマスターとかの前衛だったので、ああ……守ってもらってる……っていうヒロイン気分(笑)」
宇多丸「旦那さんにされた“姫プレイ”が一番心地よかったんですね」

タレントの加藤夏希さんは、出演したTBSラジオ「ライムスター宇多丸とマイゲームマイライフ」でドラクエ婚だと明かしました。

この旦那さんが実はAIだったら。
オンラインゲームでつながった相手が人間かどうかは、盛り上がりすぎる前に念入りに確かめましょう。


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