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『マスターカード、USDC決済に対応で起きる5つの革命』~【新しいweb3ビジネスのアイディアのタネ】2023.2.26

■マスターカード、USDCで仮想通貨決済を可能に

Web3決済を手掛けるイマーシブ(Immersve)と決済大手マスターカードの提携により、デジタル、フィジカル、メタバースの各世界で仮想通貨決済が可能になる。USDコイン(UCDC)がマスターカードのネットワーク上で取引の決済に使用される。

クレジットカードが使えるお店やネットサービスはたくさんありますが、マスターカードが使えるお店ならどこでもUSDCで直接支払える、というニュースです。これはいろいろ画期的!


Immersve上でMetaMaskとマスターカードを紐づけて実現

カード払いをすると、銀行口座から法定通貨で引き落とされるのが通常ですが、「ユーザーは、既存のWeb3ウォレットを使用して、第三者の担保に頼ることなく、直接仮想通貨による支払いを行う」ことができるようになるとしています。

具体的には、Web3決済事業者Immersveのサービス上でMetaMaskなどウォレットとマスターカードブランドのクレジットカードを紐づけておくことで、MetaMask内のUSDCから引き落とされるようにできる、ということのようです。

実際に手続きしようとしてみましたが、「Register for early access」と順番待ちでした。登録は済ませたので連絡を待ちます。


■USDCがクレカ経由で直接使えると起きる革命

・暗号資産だけで生活する人が爆発的に増加

世界中で仕事をして、その報酬を送金が簡単なUSDCで受け取る。というのは既にweb3界隈では行われています。

しかし従来USDCを直接お店で使うことができなかったため、報酬をUSDCで受け取ったあと法定通貨に交換する必要がありました。

暗号資産取引所に手数料を払って法定通貨に交換し、さらに出金手数料を払って銀行口座に振り込なまければならず、手間と手数料と時間が無駄でした。

マスターカード支払い→直接MetaMask内のUSDCで引き落とし、ができれば、これらの無駄が省け、USDCだけで多くの支払いを賄うことができます。

日本だと、都市部ではカード払いができるところが多いうえ、Suicaなど電子マネーにマスターカードを紐づけてしまえばクレカ払いはできないところでもSuicaで払える、という裏技が使えます。

家賃や光熱費、税金もクレカに対応し始めています。
クレカの限度額を超える支払いや、子どもの学校関係の支払いを持参させるケースなどを除けば、大人ならほぼクレカだけで生活できます。

つまり、USDCだけで生活できます。
法定通貨に触れずUSDCだけで生活する人が爆発的に増える素地ができました。


・世界中で働きUSDCで報酬を受け取る、が普及する

上記に関連して、世界中の仕事をリモートで受注してUSDCで報酬を受け取る人が増えるはずです。

銀行口座に法定通貨で報酬を振り込むのは、国内でも手間と手数料と時間がかかりますが、外国との取引だと猶更に面倒です。

日本に居ながら報酬レベルが高い海外の仕事を受注して、USDCで報酬を受け取る「ドル払い副業」が、送金が簡単なUSDCによってより現実的になります。

グローバルなジョブマッチングサービスもこれからもっと増えるでしょうし、海外に行かずして外貨を稼ぐような働き方をする人、優秀or安価な人材を世界中から集めてビジネスする会社やDAOも増えるでしょう。


・メタバースで働けるようになる

上記のグローバルワークはリアルな場所や国である必要はありません。
オンラインでの受発注がメインになるはずですし、働き方も自ずとリモートワークになります。

とすると、働く場所がメタバースというケースも出てくるでしょう。

イベントの運営スタッフとして活動したり、メタバース内のワールド建築をリモートで進めたり、バンドがライブツアーを行ったり。世界中のお客さんを相手にメタバース内で働き、報酬はUSDCで受け取る。そんな人も登場しそうです。


・外貨預金的にUSDCが普及する

日本円も長期的な人口減の見込みや30年間低成長などの要因で信任が下がっています。諸外国でも自国通貨の信用が下がっている国は多くあります。

USDCなどステーブルコインを手に入れることは、既存銀行などを通じた外貨両替や外貨預金よりずっと簡単なため、資産家ではない多くの人が外貨としてのUSDCを持ち為替リスクをヘッジする動きが広まるでしょう。

さらにドル預金のままだと使いにくいところを、マスターカードでの支払いで直接USDCを使える利便性も兼ね備えられるのは便利です。まぁ使っちゃったら為替リスクのヘッジにはならないわけですが。

ただし昨年のLUNA崩壊事件のように裏付け資産のないステーブルコインは破綻リスクがあり、資産全額をステーブルコインにするのは今は危険です。


・Play to Earn、GameFiが再びブームになる

ゲームで遊ぶと仮想通貨が稼げるPlay to Earnが再びブームになりそうです。

たとえばSTEPNは歩いてGSTやGMTといった独自トークンを稼ぎますが、それらを現実世界で使おうと思うと

・STEPNで歩いてGSTを稼ぐ
・STEPNアプリ内でGSTをUSDCかSOLに交換
・暗号資産取引所に送金
・暗号資産取引所で法定通貨に交換
・銀行口座に出金

で、ようやくお金として使えるという手間がかかりました。
「歩いて稼げる」といっても高いクリプトリテラシーが必要で、多くの人にとっては無理ゲーです。

Immersve上でマスターカードとPhantomウォレットを連携させれば、

・PhantomウォレットをSTEPNに連携させておく
・STEPNで歩いてGSTを稼ぐ
・STEPNアプリ内でGSTをUSDCに交換
・街の支払いはマスターカードで。

これだけで「歩いて稼ぐ→稼ぎが直接使える」状態になります。

仮にSTEPNのシューズNFTをクレカ&法定通貨で買えて誰でも簡単に始められるようになれば、

クレカでシューズNFTを買う→歩いて稼ぐ→稼ぎが直接使える

という誰でもMove to Earnを体験できる状態になります。

「簡単に始められる・稼いだ仮想通貨が実際に簡単に使える」ようになれば、世界中に1%もいないクリプトネイティブな人以外、つまり大多数の市民レベルでPlay to Earnが普及する可能性があります。

Play to Earnで儲かるかは別の問題ですし、どんどんUSDCに出金されると独自トークンの売り圧が高まりすぎて暴落するためトークノミクス設計が難しくなりますが、「稼ぎが直接使える」はGameFiが普及するために必要なことだろうと思います。


5例挙げてみましたがいかがだったでしょうか?

個人レベルでも非常にワクワクの想像が膨らむニュースでしたが、これらの動きを法人や国レベルで行うようになるともっと大きな金融革命が起きそうです。

Immersveもマスターカードも手数料商売ですから、取引量が最大化するようにマーケティングするとしたら企業の貿易決済や国家間決済にも手を伸ばすかもしれません。

大規模に暗号資産が実用化された近未来がもう目の前に来ていそうです。

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