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『オタフクが作った「“この味”に近いソース」を探すAI レシピ開発の属人化を解消』~【web3&AI-テックビジネスのアイディアのタネ】2024.6.28

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■オタフクが作った「“この味”に近いソース」を探すAI レシピ開発の属人化を解消

 蓄積してきたデータの中から、AIがベンチマーク品に近い味を見つけ出し、類似順に並べて表示する。言語データの検索は完全一致している必要はなく、特徴を言語化している文章でも検索可能になった。

「お好みソース」といえば!のオタフクで、「”この味”」に近いソースを探すことにAIを活用し、レシピ開発の属人化の解消とコストダウンを実現しているというニュースです。

新商品の開発は社員の経験に依存し、時間もかかるという課題に対し、オタフクソースはIHIと共同でAIシステムを開発しました。

従来は成分分析や官能評価を行い、そのデータを多くの試作品と照合する作業に時間がかかっていました。しかし、新しいAIシステムはデータを迅速に検索し、類似の味を見つけることで、作業時間を大幅に短縮します。


AIが「味」という感覚的なものを再現することが新しい

オタフクソースは味をデータとして管理しているからこそAIを活用することができたわけですが、人間の感覚をAIで検索したり再現したりできるということに驚きます。

これまで、味の再現には熟練の経験や直感が必要でした。世界中の料理人たちなどは、長い時間をかけて「熟練の経験や直感」を磨いてきましたが、AIの導入により、これが大幅に効率化され、さらに精度の高い味の再現ができる可能性が出てきました。

オタフクソースでは、1万5000以上の製品や試作品のデータをAIに学習させ、ベンチマーク品に近い味を見つけ出すことができるようになりました。さらに、分光スペクトルデータを使うことで、成分の強さを正確に把握し、主観に頼らずに分析できるようになりました。

AIが味を再現するためには、膨大なデータの学習が不可欠です。裏返して、これまで属人的で感覚的なものだと思われていたものをデータ化し蓄積することで、AIによる感覚の再現が可能になるわけです。

味という感覚的な要素をAIが扱えるようになることで、誰でも簡単に高品質な製品を作ることができるようになります。時間短縮やコストダウンなど経済的なメリットも大きいことから、食品業界全体にAIが進むだろうと感じます。


AIが職人技を後世に継承する

味の再現だけでなく、AIは職人の手業やデザイナーの感性など、後世に継承が難しい技術を未来に残す手段としても大いに期待されます。職人技やデザインの感性は、長年の経験と鍛錬によって培われるもので、そのノウハウを次の世代に伝えるのは決して簡単なことではありません。

例えば、伝統工芸品の製作技術や建築物のデザインなどは、その道のプロフェッショナルが持つ独自のスキルです。他にも音楽の作詞作曲、デザインやファッションの分野、建築物の設計、武道・格闘技・スポーツ・ダンスなど運動分野、ワインやチーズなど歴史的に手作業で作られてきた食品なども、属人的なノウハウで継承が難しいと考えられてきました。

AIがこれらの職人のスキルを学習するためには、詳細なデータの収集と高度な解析が必要ですが、それが実現すれば、未来の世代にもその技術や感性を受け継ぐことができます。


職人技の学習にもAIを活用

全国100以上の医療機関と提携して内視鏡画像の提供を受け、AIに覚え込ませる地道な作業を続けました。

学習量を増やすためには、静止画よりも動画のほうが効率的と考え、ハイビジョン画質で撮影できる機器を開発し、提携先の医療機関に提供しています。

収集した症例はこの5年間で20万件にのぼります。

すると、その精度は人間の能力を超えることができることがわかったといいます。

職人の所作をデータ化するインプットについてもAIが活用されるだろうと思います。レントゲン写真からガンを発見する「目」は今やAIの画像解析の方が人間の熟練の感覚による発見率を超えています。

AIが「味」を再現するだけでなく、伝統技術やデザインの継承にまで活用される未来が待っています。オタフクソースの取り組みは、その第一歩と言えるでしょう。味の再現や伝統技術の継承といった、これまで難しかった課題を解決するために、AIがどのように活躍していくのか、とても楽しみです。


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