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インド人と地域性#1(言語州)

インドは28の州と、首都のデリーや
一部の地域の直轄地で構成されています。
人口が最大のウッタルプラデーシュ州では
なんと人口2億人もおり、既に1つの国の規模が
あったり、逆にインド北東部のミャンマーに
接する地域の州は
100万人程度の人口しかいません。

これは人々が普段使っている言語を基準に
州を分割したためで、言語州ともいわれます。
国の公用語と、州の公用語があり、
憲法に指定された公用としての言語が22もある!
という巨大な国で、
イギリスの植民地時代までは国としての
まとまった概念もなかったわけですから、
歴史的な背景よりも、実用性重視で分けた、
というところでしょう。

歴史的には、北インドは昔から
ペルシア方面からイスラム勢力に、
北から遊牧民に何度も侵攻を受け、
特に西のペルシアからの影響が大きかったため、
インド・ヨーロッパ語族であり、
国の代表的な公用語でもあるヒンディー語とも
近い言語をとなっています。
現地の言語に西からの影響を受けて
派生した言語ですね。
南部はそのような外からの影響は
あまり受けなかったため、
土着の民族である、ドラヴィダ人の言語、
ドラヴィダ語族となります。
北東部は、山岳の少数民族が多く、
チベット・ビルマ語族、です。

州と言っても、日本の都道府県とは違い、
州政府がかなりの権限を持って
行政を運営しており、
(連邦制だから当たり前かもしれませんが。)
州を跨いで物品を移動させると
関税がかかったり、州ごとに税率や許認可が
異なったり、かなりの違いがあります。

例えばアルコールにかかる税金は州ごとに
違うので、同じビールをデリーで買うと140ルピー、
ハリヤナ州だと100ルピーだったりします。
(昔の話ですが。。)

テキーラですが、ハリヤナ州のみ、
と書いてあります。

インドを代表する公用語は英語とヒンディー語
ですが、南インドの言語とヒンディー語は
似ても似つかぬ、で、
また、何かと北インドと南インドは
同じインドでも先の通り、
民族のルーツからして違うので、
ライバル関係にもなっていて、
(特に首都のある北インドが一方的に国の
政治を動かしている、
という、南インドの不満が強い)
同じインド人でも母語はバラバラ、
ということで、違う母語の人がいると
みんな英語で話す傾向が強いです。

ちなみに、賛否あり、かなり古い本ですが、
南インドのタミル語と日本語が近い、
という本があったりして。
言語学的には何とも、のようですが。。

日本語の源流はタミル語、と。。

ということで、特にビジネスにおいては、
インドでは州ごとにルールや商習慣が変わることを
念頭において進出先を考える必要がありますね。

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