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インド人の仕事#3(ジョブ型制度)

仕事に対する考え方では、
日本はメンバーシップ制、
欧米は職務定義書に基づくジョブ型、
と巷間で言われてます。
最近は日本でもジョブ型労働がちょくちょくと
話題となっていますよね。
インドではどうでしょうか。

インドでも人を雇う際には
職務定義書を書いて募集をかけますが、
入社した後、違うこともそれなりにあります。
設計の技術者で雇ったのに、技術営業になったり、
まったく180度違うまでの変更はないですが、
業務が雇用時とは異なることはままあります。

ただ、ジョブセキュリティが大事なので、
逆に、人の仕事を取らない、という意識が
強くあります。
職務定義書に記載のある、決められた
仕事しかしない、というよりは、
他人の役割まで踏み込んで、
その人の仕事を取らない、
結果として、決まった仕事をやる、
になっている気がします。

例えば、社内のシステムが変わり、
各社員の使っているPCの設定変更が
必要になったとします。
日本だとちょっとしたものだと、
変更方法を連絡したり、
イントラに情報を載せたりして、
各社員で対応してもらうでしょう。
組織の文化とか、ITリテラシーにもよるでしょうが。

インドだと、情報システム部門が各社員の
1台1台の変更を全てやるのが当たり前です。
情シスの社員はシステムの運用管理を
するのが仕事ですし、他の社員も
簡単な作業だからと言って、彼らの
仕事を奪ってまでやろうとはしません。
結果的に、ジョブ型に近い勤務をすることに
なるのです。
また、上長や幹部から命じられたら、
先に書いた通り、職務定義書には書いていない
ことでもやります。
ということで、変則ジョブ型勤務、でしょうか。

上長との関係で言えば、よく上長とのセットで
同じ会社に転職することもよくあります。
経理のマネージャーが転職で
加わってきて、1、2ヶ月後、前の会社の部下が
同じように経理のサブマネージャーとして
転職してくる、といったことがよくあります。
その他の管理部門や、営業、技術職でも。
もちろん、前の会社でイマイチと評価した
部下を連れてくることはないので、
その意味でも、自分の上長との関係は
非常に大事なのでしょう。

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