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私が養蜂を始めた理由

私は、2017年から森のハープ弾きとして、演奏活動をしたり、ハープ教室を開いたり、日本の木でハープを作ったりしてきました。

2019年からは人と山の関係を研究するために大学院にも通い始めました。

2020年からは、養蜂を始めることになりました。

なんだか節操なく色々手を出しているように見えますが、私がやりたいことは、「人と自然との絆を再び結ぶこと」です。

私が養蜂を始めた理由は、「人と自然との絆を再び結ぶこと」に大きく貢献できる可能性を感じたからです。

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今回は私が養蜂を始めた経緯を書いてみたいと思います。

養蜂に興味を持つきっかけ

養蜂という仕事があるというのはテレビで見たり、本を読んだりして知っていましたが、養蜂に憧れというか、やってみたいなあと考えたきっかけは、大学生の時に読んだ「獣の奏者」という上橋菜穂子著のファンタジー小説でした。

主人公エリンの養父となったジョウンの職業が蜂飼いで、ミツバチとの関わりを通して、エリンの心情などが描写されていました。

養父のジョウンは竪琴作りが趣味で、主人公エリンも竪琴を弾くことになります。竪琴へのなんとなくの関心のきっかけにもなっていました。

まさか将来、自分がまさに獣の奏者のジョウンのように、ハープを作って養蜂をやるなんて思いもしませんでしたが。

新卒で入った最初の職場のホテルで養蜂の実績があり、道具などを一通り見ましたが、私が直接関わることはなく、その後は特に養蜂との接点がないまま過ぎて行きました。

大学院入学

2019年4月に、父からチャンスをもらって母校である宇都宮大学の大学院修士課程に入学しました。

大学院は自然と人との関係性に焦点を当てて研究がしたかったため、コミュニティデザイン学プログラムに入りましたが、大学の学部時代は森林科学科だったので、しょっちゅう森林科学科の研究室に遊びに行っていました。

養蜂との関わりが始まる

お世話になっている森林科学科の教授Y先生の研究室の4年生Nさんが、森林をミツバチの蜜源という視点で卒業論文を執筆するということで、ちょくちょく養蜂についてのお話を聞いたり、養蜂家の皆様の集まりに顔出させてもらったりする機会をいただきました。

2019年の夏からは、大変幸運なことに、Nさんと一緒に那須烏山市の養蜂家Uさんから養蜂の講習を受けるチャンスをいただきました。

森林にある蜜源

森林には土砂災害防止、水源涵養、生物多様性保全、木材生産、文化、地球環境保全、快適環境形成、保健、レクリエーション様々な機能があるということは大学などでも学びました。

しかし、森林は木本性蜜源、つまり、トチノキ 、ヤマザクラ 、フジ、クリなど、ハチミツのもととなる花の蜜を得ることのできる木のある場所という側面があるということを、養蜂に関わるようになってから初めて認識しました。(下の写真はウワミズザクラです)

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現代の生活

山から燃料としての薪や、肥料としての木の葉や、山菜、キノコなどの食料を得て、川で 魚を捕り、井戶の水を飲み、自然と共に暮らす生活は、日本ではすっかり遠い昔の話になりました。

現代は、生活は大変便利になりましたが、人々と自然との関係は希薄化し、自然環境は地 球規模で危機に瀕しています。 

自然環境が悪化すれば、干魃、水害、土砂災害、公害などが頻発するようになり、食糧不足、病気の蔓延など、当然、人間社会に大きな悪影響を与えます。

とはいえ、人間も生きていかなければいけないので、経済を止めるわけにもいきません。 自然環境を守りつつ、持続可能な形で利用することで利益を得るような仕組みを作る必要 があります。

 養蜂は、それができると私は確信しています。

養蜂の可能性

ミツバチたちは巣箱から半径2〜4km圏内を、蜜源を求めて飛びまわります。 

ミツバチたちが作り出すハチミツや、ローヤルゼリーや、ミツロウや、プロポリスは、巣箱の周りの環境の結晶です。

 周りに咲く花の種類や量によって、ハチミツの味や収量は大きく変わります。 

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蜜源となる花が周りに増えるほど、ハチミツの種類や収量は増えるのです。

そして、養蜂をやっていると、周辺の自然環境の豊さだけでなく、農林業をめぐる様々な 問題、気候変動、全てが他人事ではなく自分ごとになるのです。 

天気、気温の変化で、ミツバチの増え方やハチミツの収量に大きな影響がでます。 台風で巣箱が飛ばされたり、流されることもあります。 農地に撒かれる農薬などに敏感で、全滅することもあります。

私はつむぎ養蜂園では、養蜂業を行う上で、安心、安全の美味しいハチミツを作り、大切に育てたミツバチを農家さんたちに貸し出すことももちろんですが、

ミツバチを育てる過程をYouTubeやSNSなどで発信し、たくさんの人々と共有することで、

自然や食や環境問題を身近に感じ、 日々の買い物などで環境に配慮した製品を購入するなどの行動を変えるきっかけにできれ ばいいなと思っています。

株式会社つむぎ

2020年4月に、「株式会社つむぎ」をという会社を設立しました。
そのうち養蜂部門事業としての名前は「つむぎ養蜂園」です。


つむぎ養蜂園の蜂場は、栃木県東部の、自然豊かな里山の中にあります。 ヤマザクラやウワミズザクラ、クリやトチノキなどの蜜源になる木があちこちに生えています。

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豊かな蜜源により、たくさんのハチミツが溜まってきています。


養蜂を始めて1年目なので、日々勉強中です。はじめの数年間は養蜂の技術を身に付けながら、徐々にミツバチの数を増やしていきます。


親会社である(株)グリーンシステムコーポレーションが太陽光発電所の建設事業、関連会社の(株)グリーンウインド がソーラーシェアリング農業(営農型太陽光発電)事業で、太陽光パネルの下で無農薬農業をしています。

そのため、太陽光発電所の下でクリムゾンクローバー などの蜜源植物を栽培し、ハチミツを得るソーラーシェアリング養蜂にも挑戦することを計画中です。(下の写真がクリムゾンクローバーです)

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将来的には、荒れた里山を手入れして、蜜源植物を植栽し、多くの人に養蜂体験や森林浴を楽しんでいただける、素敵な蜜源の森を提供できたらと思っています。


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