見出し画像

【建築学生】卒業設計で評価されるために no.2

今回は表現や評価について、自分なりの考えをまとめてみようと思います。

卒業設計に取り組む中で考えたことや、学内外で多くの審査員の方々と対峙する中で考えたことなどを綴ります。

ニックネームとテーマカラー

卒業設計は自分の興味や価値観と向き合う機会である一方、その後には他人からの評価が待っています。学外へ出せばその機会はさらに増えます。

多くの作品が並ぶ中、まずは「評価の土俵」に上がるために意識していたのが、ニックネームとテーマカラーでした。学内外の先輩たちの作品を見ながら、そういった「表面」や「表現」の部分も意識するようになりました。

審査員からニックネームをつけてもらい、審査の時に「あの○○の案は」と話題に出してもらえるように「タイトル」や「コンセプト」のキーワードを意識していました。

テーマカラーについて、僕の場合は無彩色の「灰色」をベースに、一貫して模型とプレゼンボードをまとめていきました。タイトルやテーマと関連する色だと、より印象に残りやすいと思います。

「灰色」は、多くの作品が集まりカラフルになる審査会場で、良い意味で浮いてくれていたのを覚えています。

模型とトークのウェイト

いざ審査の場に出ると、模型が最前に立つのが一般的です。作品の第一印象になる模型は見てくれた人に与える情報が多いため、いかに有効に使うかが大事だと思います。

正直、作り込んだダイアグラムや文章がどこまで読まれているのか疑問に感じることも多々ありました。時間が限られた中で、多くの作品を審査する時には「模型」と質疑応答の「トーク」が大きなウェイトを占めることを実感しました。

僕の場合は、自分のやりたいことを表現しやすいよう「断面模型」を有効に使いました。それと、かなり意識したのが質疑応答の「瞬発力」でした。審査の場数を踏みながら、質疑を想定したり、自分の言葉で返せるように準備していました。

もちろんどれだけ準備していても思わぬ質疑が来て、上手く答えられないこともありました。それでも、審査員がストレスフリーで話せるムードを作ることを常に意識して、できる限り良いトークタイムになるよう心がけていました。トーク中は頭フル回転です。

運と完成度

卒業設計の審査と評価には「運」も大きな要素になると思います。

自分の作品や自分の周りの友人の作品が、どこで、誰に審査されるかによってその評価が変わっていました。僕の場合は「学内」「NAF」「JIA全国」と3つの環境下で審査を受ける機会を得ましたが、その時の審査員や作品の並びによって変わるなという印象でした。

「テーマ」や「問題意識」を評価してくれる方
「設計力」や「表現力」を評価してくれる方

その審査員によって「評価軸」は様々です。NAFやJIAという学外の環境では、しっかりとお話しを聞いてくれてヒアリングできる審査員と、見向きもしてくれない審査員がいました。

こちらも本気ゆえに、建築家の先生に話も聞いてもらえないとかなりがっかりします。それでも、確かな評価をしてくれる審査員が一人でもいると勇気付けられました。憧れの建築家から評価を受けた経験は今でも大きな励みになっています。

驚いたのが、JIAという全国の作品が集まる舞台では「運」を凌駕する「完成度」を纏った作品が必ずあります。満場一致で勝つ人がいます。「すごいな、、」と唖然としていたのを覚えています。悔しさなんて忘れてしまうほどでした。学ぶ環境によっても「見るもの」や「考えること」「作るもの」は全然違うということを学びました。

「運」も大きな要素なのは間違いないですが、やっぱり良い環境で学び、本気で考え抜かれた「完成度」の高い作品が評価されるのだと思います。

最後に

「特有性」に勝つために始まった卒業設計でしたが、正直全国の舞台では自分の作品の弱さを実感しました。

それでも、確かな自信を持って全力でアウトプットできたこと、確かな評価を得ることができたことは貴重な経験だったと今でも思うし、これからも変わらないと思います。

終わり

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?