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ハナミズキと青紅葉

京都に「安井金比羅宮」という神社があります。悪縁を切り良縁を結ぶ、という御由緒があり、そんなに大きい神社でもなくて、昔は参拝客もそんなに多くなかったのですが、だんだん「悪縁を切る」がクローズアップされて、今ではすっかり名所となり、いつ行っても大混雑です。

奉納されている絵馬には「病気との縁が切れますように」とか「職場の悪縁が切れて良い縁に繋がりますように」などと書かれているものもあれば、第三者がカップルの別離を願っているものまであって(汗)

先日、40分ほどの距離を歩いて神社を訪れ、お願いごとをしてきました。

別れた夫との縁を切ってください、と。

離婚してから初めて、別れた夫の夢を見たのです。「ちゃんと仕事してる?」と問う私。いや…と口を濁す相手。「その顔、さては会社辞めたやろ」と言ったところで目が覚めました。

別れて他人になった筈なのに、ちゃんと働いているのか、真っ当な生活を送っているのか、まだ考えてしまう自分に嫌気が差しました。

離婚直後に見た夢のことも、今でも強烈に覚えています。嫁だった時代に住んでいた家の勝手口の鍵を、家の中から開ける夢でした。朝が来ると、勝手口の鍵を開けるなんで、何千回もこなしてきた作業だけれど、もう離婚してあの家は私の家ではなくなりました。私があの家の勝手口の鍵を、内側から開けることは二度とありません。それなのに、鍵を開ける夢を見てしまった。もう、二度とありえない光景。悲しくて、大声で泣いたのでした。

別れて、もうすぐ2年になるのです。戸籍同様、しっかり縁を切るべき。そう考えて、安井金比羅宮で祈ってきました。

目覚めの悪い夢も、未練も、悔しさも悲しさも、全て神社に預かってもらって。

よく晴れた、ハナミズキと青紅葉が美しい日でした。

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