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身体感覚とコミュニケーション

一般のコミュ障向けでありながら深い

一年以上積読していた本で、最近手に取り読んでみたらめちゃめちゃ面白かった。


なぜ進まなかったのかというと、この本の何かに惹かれて購入したものの彼は心理療法の分野の人ではないし、(一応カウンセラーではあるけど)経歴からしてかなり特殊で書かれてあることも実はあんまり心理系の本には書いてない独自のものではあるなと思ったから。

人と関わるということに関する本は山ほどある。それについてこうすればいいとかこういうしくみがあるとかいろいろ書いてあるとは思うが、身体という視点から書かれてあるのが面白いと思った。

こういう視点は今まであまりなかったようにも思う。あるのかもしれないけど、この人の経験から書かれているので、それがまたコミュニケーションが苦手という人という人にとってはかなりあるあるなことが多かったので共感できた。私自身も人とのコミュニケーションは苦手で、人見知り傾向があるからそれがどういう状態なのか言語化されていて、非常に自分への理解にもつながった。

なんというか、書かれてあることはエネルギーワークにも通じる感じがある。エネルギーという言葉は全然使ってないけど、これってエネルギーの話かな?という箇所もあった。心理療法家の在り方として似たようなことを書かれているものも多くはある。

ハコミセラピーにあるマインドフルネスになることやラビングプレゼンスやコンタクト、トラッキングといった専門用語で書かれてあることと同じような感じもある。

ただ、この本は人とうまくつながれないと感じているコミュ障の人たちに向けた一般書である。心理療法家のための教科書的な専門書よりも比較的普通な人に向けて、自分の経験から得たものを書かれているため、非常に興味をひき、すいすい読めるというのはいいと思った。

自分を感じるということについて

まず人と同調するには自分の身体を観察するというところから入っている。

自分の身体のどこに力が入っているのか、緊張してるのかひたすら観察する。そのためにスワイショウなどのワークをあげている。この辺がかなり独自。

自分を感じるためには緊張してたり、かたくなっていると感じられないという。確かにそうだと思う。現代人が自己感覚がなかなか感じられにくいのはその辺もあるだろう。かたくなるのはストレスやこころの疲弊が影響はしている。スワイショウのような気功の型はそういうものを取る働きも同時に含んでいる。

でその後に他者と同調することについて書かれてある。ここで興味深いのは自分から「同調しよう」と思わなくていいということだ。それよりも自分が身構えたり、緊張しているところなど身体にあるものに意識を向けてゆるめることで自然と同調はおこるという。セラピストは自然とこうしたことができる人もいる。先ほどのハコミセラピーでいうところのラビングプレゼンスにかなり近い。相手をまったく変えようとせずにただオープンでいることだ。

この本は自分の身体で感じることや内側の観察についてかなりたくさんのことが書かれてある。よく自分で内省するとか自分を感じてみましょうというけれど、どのように感じたらいいのかわからない人もいる。

例えば「もやもやする」ということについての説明で、もやもやは自分では何かがわからないけど、何かを感じているという状態だ。そのもやもやに丁寧に時間をかけることについての説明もわかりやすかった。

人は対話の中で常にいろんなことを感じてはいるけれど、そこに意識を向けようとしていないことが多い。たぶんこの本の通りにやってみようと思ったらそこそこ時間も忍耐もかかるかもしれない。でもこの方の語りでは「〇〇を丁寧にやっていくとこうなっていくことができる・・」という文で締めくくることが多く、何かやる気にもなってくる。

同調すると得られることにこんなことを書いている。

こうした他人と自分を混同して起こる怒りや共感を、自分から引き離して見ることができたとき、自分がどのようなことを感じ、どのようなことを思い込んでいるかということに気づく。そうすると、怒りを感じることが少なくなったり、他人に盲目的に熱狂したりすることがなくなってくる。

自分のバウンダリにも関わる文章かなと思う。バウンダリというのは自分と相手との境界線であり、人は肉体の皮膚以上に広がるエネルギー体であり、本来の境界線はその人によって違うが、まわりと自分の境界があいまいで広がる傾向があると、他者の感情などが自分のことと勘違いしやすい。

同調するというのは無意識に相手と混ざり合うことではなく、意識的に自分を感じて、自分と他者の違いを認識するということでもあるのかな。


トランスについて

そしてさらに大事なことはトランスということについて。

トランスというとシャーマンがトランス状態になったみたいなことを言うけれど、ここでのトランスというのは内側の意識と外側の意識をどちらも使っている状態のことをさしている。

これはセラピストや心理療法家にとってはもっとも大事な部分だ。相手に同調しつつも、自分の内側で何がおこっているのか観察しなければならない。私はなかなかこれがうまくできなかったりする。

自分の内側に入りすぎていると相手をコントロールしようとしたり、自分の世界の中に入ってしまい、そこから相手と接してしまう。

これは仕事で他者を援助する人に限らず、普通の人間関係で常におこっていることだ。普通の人間関係ではそんなことをあまり考えもしないだろう。

頭の中では「次にこう言おう」「こうしたらいいのにな・・」「あ、それはこれと似ている」とかいろいろ相手と接しているときに思うこともあるだろう。お互いに言いたいことだけ言うというのは実は同調はされていなくて、どちらも話を聞いてもらった感やつながった感を得られないのだ。

この内側に入りすぎている状態に気づき、外側に意識を向けていくということについて書かれたところはハートチャクラの機能としての部分ではないだろうか。

日本ではあまりないけれど、海外などに行くとハートが開かれた文化の地域ではよく声をかけられる。朝歩いているだけでいろんな人から「おはよう」と言われるが、日本ではほぼないことだ。これは外側に意識が自然と開いている状態ではないかと思う。

このトランスという状態は人間だけではなく、植物や他の生命体、見えないガイドのような存在との関わり方にも影響する。自分の内側に入ったままコンタクトしようとすると実は受け取ることはできない。自分の内側に気づきつつ、対象と同調する必要がある。この場合人間と違ってあまり緊張はしないけど、独りよがりの世界にもなりやすい。

コミュニケーションのパターンというのは多くは家庭環境や学校での人間関係から学ぶことが多い。身体で感じているものは無視して、言いたいことを伝えるだけであることも多いかもしれない。

とくにSNSでの関係性はニュアンスがわかりづらい。ただ反射的に返すコメントもあるかもしれない。

この本で書かれてある観察は無意識なものに意識を向けていくという作業だと思う。それがまず自分の身体から感じてみるというやり方は実は一般的にもやりやすいのではないかな。

身体の緊張について

この本の大事なところは自分の身体感覚の緊張やかたくなっているところに気づくことである。対人恐怖など感じている人はほぼ緊張している。私自身も緊張がよくあるので非常にわかる。

芸能人などよくテレビに出ている人で「全然緊張しない」と言っている人を見かける事がある。だからあんな風にコミュニケーションが円滑なんだなーと思う。芸人さんとかそういう傾向がある人ほど人気が高いようにも思う。

私の場合は好きな人とか初めての人とか、とくに共通の話題があまりない人といると緊張する。もちろんよく見せたいとかどう見られるのか気になるからだろう。

この方の別の本も気になり購入してみたら、そちらのほうが緊張について多く取り上げられていた。

どう話すことがいいのかということを書いた本や子供の頃からのパターンを癒すという本よりも身体の緊張に気づいていくというほうがほんとやりやすい。

何度もこの本には書かれているかなと思うけど、自分の身体感覚に気づくことで自分の感情や気持ちがわかるようにはなってくるのだ。ヒーリング療法でもフラワーエッセンスでも自分がどう感じたのか最初はわかりにくいことも多く、その場合も身体感覚からのほうが入りやすい人も多い。

もちろんこの本はすべて丸のみにする必要はなく、使えるところを使えばいいと思う。そのように最初のほうにも書いてあったかな。

フラワーエッセンスとコミュニケーション

この本を読みながら、フラワーエッセンスでできることがあるかなと想像していた。関係性やコミュニケーションに関してのフラワーエッセンスはいくつかあるが例えば

【緊張】Bach・・ヴァーベイン、ヴァイン、ミムルス、FES・・ダンデライオン、キャモミール、ラベンダー、スナップドラゴン、ニコシアナ、ゴールデンヤロー、ヴァイオレット、ピンクモンキーフラワー、スカーレットモンキーフラワー

【感じる・過敏さも含む】Bach・・ロックウォーター、ホーリー、アグリモニー、セントーリ、アスペン、FES・・スターチューリップ、イエロースターチューリップ、カレンデュラ、セントジョンズワート、レッドクローバー、イブニングプリムローズ

【肉体にいること・逃避】Bach・・ワイルドローズ、クレマチス FES・・カリフォルニアワイルドローズ、ローズマリー、マンザニータ、タンジー、フォーンリリー

【バウンダリ】Bach・・ウォルナット、FES・・ヤロー、ピンクヤロー、ゴールデンヤロー、エケネイシャ

【孤立】Bach・・ヘザー、ウォーターヴァイオレット、インペイシェンス、チコリ、FES・・イブニングプリムローズ、ブリーディングハート、フォーンリリー、シューティングスター、フォゲットミーノット、ベビーブルーアイズ

【受容性】Bach・・ビーチ、ウィロー、ホーリー、FES・・マリポサリリー、ポイズンオーク、カレンデュラ、スターチューリップ

【統合・言語表現】Bach・・スクレランサス、ラーチ、セラトー、FES・・コスモス、シャスタデージー、トランペットヴァイン

と関連したものをあげておく。もちろんこれ以外も考えられるエッセンスはたくさんあるけれど、参考程度に。

ちなみにこの本で推奨されているスワイショウ、調べてみると本来は手を左右に振ったりする動きなどいろいろある。この本では前後の動きのみになってるけど。。両方やってみるのもいいのかもしれない。

ただ、私はこの本を読んでから、以前より自分の内面が心なしか感じられるような気がする。コミュニケーションの苦手意識も変わっていくといいなあと思う。

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