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DV家庭の子供はDVをするようになる

久々に外食をしたらほんの些細なことで怒りが沸点に達して、店で暴れてしまった。

掃除のときにビーズクッションを持ち上げるのを手伝ってくれるかどうかというのが発端だった気がするが、あまり詳細は覚えていない。
夫に店の茶碗や皿を投げつけ、床に落ちて割れた。

なぜこんなになるまでイライラするのか、ムカつくのか、怒るのか、理由は全くわからない。しかし思い当たる節はあり余るほどある。

父は公務員で教師として仕事を全うし定年を迎えている。祖父は個人事業主で鉄くずのスクラップを売ったり、干し芋を作ったり、烏骨鶏の卵を売ったりして生計を立てていた。ずっと昔に亡くなっている。両者に共通するのは、DVと喧嘩の絶えない家庭を持っていたということだ。

同じ敷地内の別宅に祖父母は住んでいたが、私が幼いころは毎日のように怒鳴り声が聞こえてきた。大きくなって勉強に没頭するわたしは気にも留めなくなっていった。
私の家では日常的に父母の喧嘩が勃発し、年に数回は家の天井や壁に穴が開くほど、リビングがめちゃくちゃになるほど父が暴れていた。ちゃぶ台返しならぬテーブル返しというのも本当に存在する。母が作った食べ物はすべて床に滑り落ちて割れた皿と一緒にぐちゃぐちゃになっていた。お母さんがせっかく作ったのにと思うと同時に、何か「温かいもの」がぐちゃぐちゃになっていくような気がしてとても悲しかった。父が暴れるのはお酒のせいではないようだった。


父のその衝動が今ならわかる気がする。父は自分が気に入らないことがあると母にその怒りをぶつける人だった。仕事のストレスをいつも抱えていたようで、夜中に寝ている最中にうなされ、寝言で怒鳴り声をあげるほどだった。そうしたストレスが引き金となって、怒りっぽくなっていたのだろう。父曰く、祖父も人とのコミュニケーションが苦手で仕事でストレスを抱えていたのだろうと言っていた。

さて、わたしはどうか。最近特に、年々怒りの導火線が短くなって、短絡的に怒っている気がする。夫とは8年の付き合いだが、付き合って3,4年ほど経った頃から顕著に怒りをぶつけるようになっていったように思う。殴る、蹴る、ものを投げる。DVの頻度が高くなり激しさが増していった。カウンセラーに相談し、怒りのコントロールが徐々に身についたが、それでも夫への暴力が全く無くなることはなかった。
ここ1年ほどは、手を挙げたくなる衝動にはかられても行動に移すことはなかった。しかし先日は耐えることがなぜかできなかった。夫はお酒を飲むと非常に嫌味ったらしくなる。それが我慢できなかったのだろう。

いずれにせよ、どんな理由があるにせよ、他人に迷惑をかけてはいけないし、もちろん身内だからといって暴力も容認されるべきものではない。しかし、罪悪感を感じられないのだ。頭でわかっていても、夫に申し訳ないと思えない。ただ、夫の心が離れていくのではないかと不安になるだけだ。結局自分の心配しかできない。そしていつも「わたしは悪くない」という言葉が頭をぐるぐる巡って泣き叫びそうになる。なぜかはわからない。

わたしは父が大嫌いで父のような人間には絶対になりたくなかった。しかし年々、父と言動、思考が似通っていっているように感じる。父は定年を迎えてずいぶん丸くなったようで、昔のように暴れることはないようだ。

またカウンセリングの予約を入れた。今回は特に他人様にも迷惑をかけてしまった点で重症だと思っている。カエルの子はカエルを実感する今日この頃。

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