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生徒指導と教育相談の違いは何?~『生徒指導提要』のポイントをおさえよう~


目次
生徒指導とは?
生徒指導」の定義
自己指導能力とは
「自己指導能力」を育成する「生徒指導の3原則」
教育相談とは?
「教育相談」の定義
生徒指導と教育相談はどう関わっているの?
まとめ
生徒指導とは?

生徒指導」の定義

「生徒指導とは、学校の教育目標を達成するために重要な機能の一つであり、一人一人の児童生徒の人格を尊重し、個性の伸長を図りながら、社会的資質や行動力を高めるように指導、援助するものである。」
「生徒指導は、一人一人の児童生徒の健全な成長を促し、児童生徒自ら現在および将来における自己実現を図っていくための自己指導能力の育成を目指すという生徒指導の積極的な意義を踏まえ、学校の教区活動全体を通じ、学習指導と関連付けながら、その一層の充実を図っていくことが必要である。」(文部科学省『生徒指導提要』より)

生徒指導=児童生徒の「自己指導能力の育成」を目指して、教育活動全体を通して指導、援助するもの。
自己指導能力とは

自己をありのままに認め(自己受容)、自己を理解し(自己理解)、さらに自らの目標を明確にし、目標達成のために、自発的・自律的に自らの行動を決断し、実行すること。

自己指導能力=その場その場で、どのような行動が適切か、自ら考え、決定し、行動する力。
「自己指導能力」を育成する「生徒指導の3原則」

①「自己存在感」を与える・・・自分自身を一人の「かけがえのない存在」として認め、その集団・社会において「大切にされている(自己肯定感)」「役に立っている(自己有用感)」と感じるような関係を築く。
②「共感的人間関係」を育成する・・・多様な考えを認め、互いを尊重し、共感的に理解し合える関係を築かせる。


③「意図的な自己決定の場」を与える・・・自己決定の場を多く設定してやる。自己決定と責任ある行動ができるように支援し、その経験を通して、自ら自己の可能性に気付かせ、伸長していこうとする態度を養う。

教育相談とは?

「教育相談」の定義

「教育相談は、一人一人の教育上の問題について、本人又はその親などに、その望ましい在り方を助言することである。その方法としては、1対1の相談活動に限定することなく、すべての教師が生徒に接するあらゆる機会をとらえ、あらゆる教育活動の実践の中に生かし、教育相談的な配慮をすることが大切である。」(文部科学省『生徒指導提要』より)

教育相談=児童生徒の教育的問題の解決や支援のために、本人又は保護者に行われる相談活動
生徒指導と教育相談はどう関わっているの?

「教育相談は主に個に焦点を当て、面接や演習を通して個の内面の変容を図ろうとするのに対して、生徒指導は主に集団に焦点を当て、行事や特別活動などにおいて、集団としての成果や変容を目指し、結果として個の変容に至るところにあります。」(文部科学省『生徒指導提要』より)

まとめ

教育相談=個の内面の変容を図る。
生徒指導=集団としての成果や変容を目指す。⇒結果、個の変容につながる。

★教育相談は生徒指導の中心的な役割、中核をなすもの。(教育相談∈生徒指導)

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