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マーケティングの本

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マーケティングに関する記事まとめ
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#読書

あこがれの存在から身内の関係に変わったブランディング戦略:ファンベース

前回紹介したPURPOSEはおもに企業の内側の視点でしたが、今回紹介する本は外側=ユーザー(ファン)に向けてのことが書かれた本です。 どちらの本も共通しているのはブランディングという考え方に対して「好きになる仕組みや仕掛け」をつくることで、「便利だから買う」「性能が優れているからこっちにする」といった合理的な判断ではない人間の感情を大切にしていることだと思います。 ファンベース 佐藤尚之 ちくま新書 2018.02 これまで多くの本を読んできた経験上、新書系の本(文庫本

アンダーマイニング(報酬とやる気):行動経済学とデザイン04

「お金じゃなく、やりたいからやってるだけ。」 今回は報酬(お金など)と動機(やる気やモチベーション)についてのことです。僕が尊敬してやまない佐藤雅彦さんとその仲間でつくった『ヘンテコノミクス』は行動経済学をマンガにした本ですが、その1つにアンダーマイニング効果のことが書かれています。 行動経済学まんが ヘンテコノミクス 佐藤雅彦 + 菅俊一 + 高橋秀明 マガジンハウス 2017.11 こんなお話です。 壁に落書きをするいたずら坊主たちは、怒鳴られても懲りなく落書きを

「感動」のSTAR(スター)分析:後編

こんにちは、“映画おばけ” です。 企業様の広告コミュニケーションや、 プロモーションを企画したり、 サポートするお仕事をさせて頂いてます。 今回のnoteも、前回に引き続き、 感動の構成要素を整理するフレームワーク 「感動のSTAR(スター)分析」について。 『感動のメカニズム 心を動かす Work&Lifeのつくり方』 前野隆司 著 (講談社現代新書)より引用 前編では、フレームワークの前提となる、 「経験経済」「経験価値マーケティング」について触れました。 後

「感動」のSTAR(スター)分析:前編

こんにちは、“映画おばけ” です。 普段は、企業様の広告コミュニケーションや、 プロモーションを企画したり、サポートするお仕事をさせて頂いてます。 とりわけ、映画や音楽、漫画やアニメといったエンタメ商材に関わることが多い身の上ということもあり。 エンタメ体験にまつわる「面白い」という感覚を科学し、自身の企画のノウハウにフィードバックして体系的な整理をしたいなあと、色々な先行研究を調べています。 この度、前野隆司(まえのたかし)氏の著書『感動のメカニズム 心を動かす W

【読書】生命科学的思考

今まで触れてこなかった分野を学ぶことで、新しいモノの見方や考え方を吸収することができた。正直この本を読む前は、「生命科学が人生やビジネスに影響することなんてあるわけない。」と軽視していたが、その認識が一変した本。 「なぜ人間はネガティブな感情を抱えて生きているのか」と誰しも一度は考え得る身近な問題から「覚悟とは何か」と哲学的な思考まで、生命科学的思考を基に紐解いてくれる良書である。 ◆読む目的・生命科学の知識や考え方をどのようにビジネスにつなげられるか理解する ・今まで触

エンダウド・プログレス効果(進むとやる気がでる):行動経済学とデザイン40

案ずるより産むが易し。とにかく何かやってみた方が物事も進むし、やる気も出てくる、ということについて考えてみます。 まずはこちらの本から 行動経済学まんが ヘンテコノミクス 佐藤雅彦、菅俊一(原作)、高橋秀明(画) マガジンハウス 2017.11 上昇選好この本でのお話は、リスが働く会社で、毎日おなじ給料(どんぐり)がもらえるよりも、はじめは少なくても毎日1個ずつ増える方が生産性が上がった、というものです。 人は「だんだん良くなる方を好む」という傾向を上昇選好といいます

分解と統合(「ニュータイプの時代」/山口周) | きのう、なに読んだ?

山口周さんの新著「ニュータイプの時代 新時代を生き抜く24の思考・行動様式」を、ダイヤモンド社市川さんからお送りいただき、読んでいた。ベストセラーになっているそうだ。 本書の内容はAmazonのページに詳しく書いてあるので、ここでは触れない。山口周さんは私の好きなタイプのインテリで、文体、論の運び、根拠となる古典や最新の研究の出し方など、山口周スタイルを楽しみながら読み進めた。一方、読みながら気になったことがひとつある。本書の構造だ。本書のカバーの見返しにあった図表を見てほ

マーケターの役割はわかりやすく伝えること

先日に、マーケティングをシンプルに考えることについて書きました。 今回は、マーケターの役割として「わかりやすく伝える」ことについて書いていきます。 マーケターのありがちな行動マーケターの逃げのサインはこの3つだと思っています!! ①専門用語に逃げる ②カタカナに逃げる ③フレームワークに逃げる 全て、とりあえずわかったフリをするのに、使われる行動です。 これダメです!! 身に付けたい伝える技術 ・なぜマーケティングが必要なのかをわかりやすく整理して伝える ・不明