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外星通訳一族、”AKIMOTO”9

   

    『休みは消えてなくなった。もう帰ってはこないんだ。』

————3代目 通訳官 秋元 誠児の出勤状態を表した一言————



「誠児、悪いがこれじゃあ全然足りないぞ?」
 秋元和久はそう言った。
彼は誠児が作った計画書を見ていた。

「……たとえば、何を他に入れればいいんだよ?」
 誠児は尋ねる。
こういう時に父が言うことは決まってロクなことではない。
しかし、確実に必要になるか、必要になるよう誘導してくる。

 彼の計画書では、暗号解読、言語学者、通訳、翻訳等の「言語系」と、
精神、脳、突発的な状況に応じての各専門医師等の「医療系」、
そして各国の政的治状況を俯瞰(ふかん)でき、それを発言できる
「政治・外交系」、これらの人員を、ウルスの船に乗せて当の異星人へとコンタクトをとる予定だった。
 
 だが、それ以外。
もっと別分野が必要だということか。

「いや、『軍事系』がないじゃないか。兵器もない、兵士もない。絶対に必要になるぞ、断言しておく。」

「いやいやいやいや。」
 ウルスの船に乗るんだよ?それって必要か?

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