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コンテナバスケット。

9月、リクエストにお応えして今まででいちばん大きい持ち運び用のかごを作りました。
なんと、苺のパック4個を平らに並べて置ける大きさとのこと。底面が約24㎝×36㎝くらい必要です。
リクエストをお受けするか結構考えました。置きかごとしても自分にとってかなりチャレンジングだった『大き目の四角いバスケット』並みの大きさ。そこに物を詰め込んで持ち上げて移動できなければならないわけで。
形は作れても、機能的なものにできるのか。

今ショップに並んでいるバスケタルの手提げといえば、マチ(厚さ)は9㎝から14㎝。24㎝はジャンプアップです。↓ こういう持ち手のつけ方で出来上がるいわゆる『手提げ』では成立しないであろうとまず思いました。

四角い手提げB(よろけ編み)

こういう方向にしていくしかないだろうと。

でもこういう感じ、作ってみたかったものの一つではありました。
『バッグ』とか『手提げ』ではない、持ち運び用の道具入れみたいなもの、女性向きと限らないようなもの。(今までの手提げも使っていただいている男性はいるにはいますが。)
というわけで作ります。
この『大き目の四角いバスケット』に持ち手を付けたような形で。

試しにこれにやや重いものを入れて運んだりしてみると、底面と側面の境目は結構しっかり作ってあるし、側面の上端には前述の折り畳みコンテナみたいな方式でがっちりした持ち手が付けばそれほどたわむこともなかろうという感じがします。
問題は、底面。
建築で言えば床に当たる部分、コンクリートの床だとしたら床自体を厚くするか、鉄筋の量を増やすか、梁を付けるか・・・それを籐で考えると太い籐で編むとか、芯材を補強するとか、梁にあたるものを付けるか・・・。
この中で自分の作り方に合っていて、効き目もありそうなものというと『梁』だなと思われました。梁というより『足』なんですが。

『重ねられるかご』を作る時に付けている『足』、これが底面に強度も与えます。

周りだけでは足りないので中ほどにも渡す形で、2パターン考えてみました。今回は下の方を採用。商品としては上のタイプになりました。

そして重要な『持ち手』。
以前試作していたこのタイプがよかろうと思います。2点支持。1点支持だとしっかりつけてもグラグラします。

持ち手の芯はいつもの2.4mmから3mmに。
2本を合わせてグルグル巻いて完成です。今まで作ってきた、2本の持ち手がそれぞれ独立している手提げでは持ち手の根元が常に動かされてダメージにもつながりやすいですが、このタイプはそういう心配はない。

コンテナバスケット・大(よろけ編み)

模様はお客様のご希望で『よろけ編み』、バスケタルのアイコンにもなっている編み方です。
なんというか、形はコンテナで、でも細い籐の素材が柔らかくて、見た目も優しい、いい感じのバスケットになったと思います。

後に少し小さいタイプも作りました。(底面約21㎝×31㎝)

コンテナバスケット・中(2021)

こちらはこういうバスケットにぜひ採用したいと思っていた『2021』のパターンで作ってみました。

2種類の大きさ。
眼が慣れてしまって小さい方は結構小さく見えますがこれでも今まで作ってきたものに比べるとかなり大きい。もう一回り小さくしても一人用のお弁当と身の回りの物には十分かも知れない。コンテナらしさはそのままで。

以上、とても楽しい製作でしたし、今までやってきたことをずっとやりたかったことに生かすことができたという充実感を感じています。
が、手数が増え、価格高騰している材料費もさらにかさむので価格は高めにせざるを得ず、これではたくさんの方にお求めいただくのは難しいかもしれないとちょっとネガティブにもなっています。
難しいご時世です。ハンドメイド品は、贅沢品だと思い知らされる。
しかしまあなんとか綱渡りでも続けていきたいと今はまだ思います。考え続けています。お付き合いいただけたらうれしいです。

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