【詩】寿命
僕は不老不死の男です
かれこれ二千年くらい生きてきました
しかし、これといった思い出もなく
ただ終わらぬ日々を過ごしています
人は八十年やそこらで死んでゆきます
僕にはそれが羨ましくて仕方ないのです
一口で胃がもたれてしまいそうなその人生を
噛み締めながら、飲み込みながら逝くのでしょう
人はなぜ生きていくのか
人はなぜ死んでいくのか
そんなことを考える暇もないくらいに
生きてみたいと願うばかりです
もしも寿命があったなら
なにかをもっと大切にできたでしょうか
もしも寿命があったなら
だれかをずっと愛し続けられたでしょうか
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