長距離移動が好きなのだ
長距離移動というのはとてもいい。
それも新幹線での長距離移動。
徒歩や自転車はだめだ。きつい。
自分で車を運転するのもだめだ。こわい。
飛行機も悪くないが、乗るまでにやらなければいけないことが多くて頭が痛くなる。
やはり新幹線での長距離移動が一番なのだ。
三、四時間くらいがちょうどいい。喫煙ルーム近くの席が取れるとなおいい。
そんなに長い時間、新幹線に揺られることの何がいいのか。
それは心置きなく何もしないでいられるからである。
私は何もしたくない。だが、家で何もしないでいると罪悪感や焦燥感が湧いてきてしまい苦しくなる。
それが新幹線だとどうだろうか。ただぼーっとしているだけの時間でも有意義に感じられるのだ。
それはなぜかと言えば、新幹線に乗っているその時間は『目的地までの移動』という行為の最中だからである。常に何かをしている状態でいられるから何もする必要がないのである。
私は最近、意味もなく、いや、無理に意味を作って遠出をしている。
何もしないために新幹線に乗っている。
これでいいのだろうか。
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