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小さな世界 #5 【キャッチボール】

どこに需要があるのかさっぱりわからない自分の生い立ちを書き始めてしまい、いよいよ終わり方が分からなくなってきた。

ただ、こうして書いているうちに自分の学びがあったので次回はその内容を一回整理して、続きはボチボチ書いていこうかなと思います。

▶︎前回のやつ

キャッチボール

僕は中学生まで野球をやっていた。今でも野球は好きだ。

大学生のときに「昔、何部だったか」みたいな女子との謎のクイズが始まった時は、だいたい「テニス部っぽい」とか言われたが、残念ながらテニスは遊びですらやったことがない。

野球を始めたのは、小学生の1、2年生の頃だった。最初は近所の子たちと近くの公園でプラスチックのバットとゴムボールで遊ぶ程度だった。

やっているうちに、もっと本格的にしたくなり小学4年生のときに小学校の野球チームに入った。

それから、野球が家族のコミュニケーションツールになった。

休みの日は野球の練習や試合。両親は試合の送迎やお茶当番。野球を中心に家族が回り出した。

前回小さい頃にお母さんと遊んだ記憶がほとんどないと書いたが、お父さんと遊んだ記憶はもっとない。

唯一鮮明に覚えているのは、家の前の道でキャッチボールをしていたことだ。

休みの日になるとキャッチボールをする。

小学生の頃なんて下手くそだから、近所の家の中にボールを投げ込んでしまったり、捕れないようなボールを投げてお父さんをよく走らせた。

早くうまくなって試合に出れるようになりたかった。

特に何か会話をするわけではなかったけど、僕は無心でボールを投げ続けていた。

あれは1種の「コミュニケーション」だったんだな。

この前お母さんから、部屋を片付けていたら僕が小学生の時に使っていたグローブが出てきたから処分していいかと連絡があった。

もちろん処分して構わなかったが、懐かしさもあり、写真に撮って送ってもらった。

保存状態が悪かったのもあるが、まったく覚えていなかった。

覚えていなかった自分にびっくりした。

あんなに夢中になっていたのにだ。

人間の記憶は残酷だと思った。

今、大事にしているもので、ぬくもりがあるものでも時間が経つと忘れてしまう。

だからこそ前に進んでいけるのだと思う。

今この瞬間を必死に生きないといけない。

(つづく)


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