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【読書感想】最強の人になるー坂口恭平著『継続するコツ』を読んで

坂口恭平著 祥伝社 2022年出版

 坂口恭平の新刊。前著『中学生のためのテストの段取り』という本で、目覚めて一日のスケジュールを決めて、それを繰り返しやる、という方法をとってみたが、継続する力が私にはないことが判明。どうしたらいいのかと思って、この本購入して読んでみた。

 この本、すげー勢いで書いてて、読み始めたら、書いてある勢いに乗って私も読み切らなきゃいけない気がして、ものすごい勢いでこっちも読んでみた。途中、数日置いて、書き始めたくらいから落ち着いてきて、なんか私も息継ぎできる感じで読むことができたが、シュルレアリスムの自動筆記じゃないけど、恭平さんの頭の中にあることが猛烈な勢いで書いてあって、脳内駄々洩れ、って感じ。ほんとおもしろい。論文書いてた時、目次作って、こういうこと書いて、次こういうこと書いて、って考えて文章書いてた自分がバカみたいに感じた。ていうか、坂口さんも多少そういうことして書いてほしいと思ったけど。

 で、とにかく分かったことは、恭平さんは、幸福だということだ。最後までたどり着いたとき、僕は幸福です、今。と書かれてて、なんか、感動した。この感動の気持ちは多少恭平さんの勢いにのせられて言ってる感はあるが、それはある意味彼の持つ溢れる文章力の果てにたどり着いた感動の気がした。

 で、継続するコツってなんなのよ、って話だが、要するに、自分で勝手に「才能ない」って言ってやめるなよ、って話だと思った。絵を描き続けるということも、先に仙人がいて、その人の話もすげーな、と思ったけど、坂口恭平のすごいとこは、絵の大きさを決めて、それに書き続けるというシステムを作ったことだと思った。それ重要。そういうの、方法論ていうか、続けるコツだと思った。そういうとこ、すごいと思う。あと、「書くことは伝えることじゃない」ということ。「伝えることを意図してやるのではなく、頭の中の、永遠に形にならないグニャグニャしたものを瞬間的に、一時的に出し続けることによって、頭の中を共有するというか、その中で遊ぶというか。」p. 134 こういうふうに考えて書くという作業をやっているのは、なんとなく私の未然の状態に近い気がしていいな、と思った。

 「下手なら下手でいいんです。馬鹿にされてもいいんです。それよりも、のびのび生きていくことが重要なんです。」p. 143 と太文字で書いてあったけど、要するにそういうことなんだと思う。大人になると、いつのまにか他人の判断に惑わされて、下手だと言われるとやめてしまいたくなる。それよりも、ノビノビ自分が謳歌することが大事だと。

 「大事なことは、周囲に一切の期待をしない。自分にも期待をしない。期待はせずに明日また継続する、です。」p159 これは最強だな、と思った。私もそうやって生きていこう。他人なんて、そもそも自分のことにそんな構ってないし、気にしてないから、自分も他人を気にしなくてよい。それは、私もここまで生きてきてつくづく感じている。人は勝手に生きてるので、自分も勝手に生きればいいと思う。

 とにかくこれらの思想は、人を最強にすると私は思ったので、強く生きていこうと思いました。


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