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【読書感想】『ブルシット・ジョブ』を読んで

デヴィット・グレーバー著 岩波書店 2020年出版 

去年の今頃に正社員として就職してから、ほんとに、クソみたいな仕事だな、と思って、一ヶ月で仕事を辞めた。それから猛烈な勢いでこの本を読み進めたが、最後まで読み切っていなかったので、最近、全部読了した。

 世の中の仕事が大半は「ブルシットジョブ」という話をこんな分厚い本で、的確に論じることができるんだな、と思った。読んでて痛快だった。本の厚さが気にならないくらい。どこの国でも一緒だな、と思った。

 私の経験から言うと、こんなんでお金もらってるなんて、得してるじゃん、と思いたくなるような、いわゆる「やることない」「必要とされない」仕事の例が多く載っていた。恐らく、自分のやってる仕事が、ためになっているか、なっていないか、ということを差し置いて、この仕事内容でこんだけお金もらえるなら、といったとこで、人は、どんな仕事をやるか決めるのだろうと思う。そうじゃない仕事やってる人もいるだろうけど。しかし、ほんとに価値のない仕事してても、時間食いつぶしているだけで、自分の存在価値が認められないと感じて、精神的に支障をきたすんだな、と思った。こういう仕事ってごまんとあるんじゃないのかな。

 この本読んだら、自分がする「仕事」というのは何がいいのか本気で考えるようになった。人に使われているようだったら、いつまでもやんなくていいようなこと、いっぱいやらされて終わりだもんな。かと言って、エッセンシャルワーカーは報酬が低いのはあたりまえ。この本の著者は、ベーシックインカムがいいんじゃないか、と言っていたが、現実的に考えて、今の日本は、ベーシックインカムには程遠い気がする。

 でも、この本がヒットしたのは頷ける。まず、タイトルの「ブルシットジョブ」という直訳が良かったんだと思う。ほんと、酷い仕事にあうと、ブルシットジョブと言いたくなるもの。そして、ちゃんと研究としてなりたっているところも、すごいと思う。私は、今まで、巻き込まれすぎてた。この社会にはびこっている数々のブルシットジョブに。お金稼ぐということを、真剣に考えなくてはならん。


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