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【読書感想】『男女(オスメス)の怪』という本を読んで
養老孟司 阿川佐和子 だいわ文庫 2009年出版
エッセイ好きでよく本を読む母から勧められたので読んでみた。
最近難しい本を読む気力が失せて、数時間で読めるこういう本を欲している。
養老さんと阿川さんの男と女にまつわる対談。
私は人から勧められた本を読むのが好きだ。書評もよく読むし、noteでも読書感想書いている人の文をよく読む。特に知り合いから勧められた本は絶対読んでいる。なぜなら、その本のことだけではなく、本を勧めてくれた人のことを知る機会にもなるからだ。ああ、この人、こういう雰囲気の本が好きなのね、と思ったりすることが好きだ。
この本は、男女のことを対談しているのだが、養老さんが、脳からの性差だったり、昆虫の話からオスメスの違いを話すものだから、なんだか、フェミニズムの思考とはかけ離れていて、こういう生物学的に性差を述べられると、ジェンダーの意識とか変わるだろうな、と思った。養老さんも阿川さんも年配の人だから、現代の人に比べると、それぞれ男と女について思うことがあり、この本は母の世代の人には良く理解できて好みそうだな、と思った。私としては、「こういう若い男性増えたじゃん」といっても、そもそもこの本がだいぶ前に書かれているから、それ以降変わってきているのも事実だし、そもそも、最近の若者の傾向を知らないので、こういうこと言える資格は私にはないんだが、そういうことを簡単に口にできるのも、世代の違いのような気がした。
養老さんが自分のトラウマについて話しているところはとてもぐっときた。ほんとにいわゆる精神分析の典型なのだ。4歳の頃、父が死ぬとき、「さようならをしなさい」ってみんなに言われたのに、さようならと言えないまま、父は死んでしまった。それ以降、人と会っても挨拶をするのが苦手だった。40歳くらいになって、それは父にさようならできなかったせいなんだと分かる。その時初めて、涙を流したそうだ。
自分のトラウマって、しばらく時間が経ってからふとした瞬間に分かるときがこんな風に来るんじゃないかと思った。
阿川佐和子さんってもしかしてすごく文章がうまい人なんじゃないか、と最後のあとがき読んでいて思った。彼女のあとがき読んでたら、養老さんという人がありありと目の前に浮かんできて、すてきなおじいちゃんだな、と思った。何年か前に、かなりお年を召してから、阿川佐和子さんがご結婚なさったって聞いて、そのころから彼女みたいな生き方もあるんじゃないか、と私は思っている。
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