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【読書感想】二人のおじさんー『橋本治と内田樹』を読んで

橋本治 内田樹 筑摩書房 2008年出版

 今までアップしてきた読書感想文振り返っていたら、橋本治と内田樹がなぜか二冊ずつもあるな、と思っていたら、たまたまこの本発見したので、図書館で借りて読んでみた。

 内田樹が橋本治の話を聞く対談形式で書かれているんだけど、内田樹も自分のことしゃべってて、会話がとても面白い。なんか、どうでもいいことべらべらしゃべっているような、なんてことのない、議論ってことでもなく、橋本治が自分ってこういう人だからさ、ってだらだらしゃべりまくっているような内容の本。

 橋本さんが面白すぎる。彼がやってきた仕事の仕方とか本の書き方だとかが、なんか作家らしくないっていうか、気取ってない。そう、気取ってない。先生って感じで気取ってなくて、すごく良い。簡単にいうと変な人だということなんだけど、その変さが彼自身でよく考えられたちゃんと理屈のある変というか。なんかでも、その東大で絵を描いてたというとことか、大学生で話せる奴いなかったとか、ところどころで私となんか似てるな、と思えるとこがあって、だから私は橋本治が好きなんだな、と確信した。

 おもしろかったのは、他人のこと考えるときに、自分を引き算するというはなし。自分が知ってることを知らない状態に戻すとか、知っている情報を抜いてみたときに、相手がどういうふうに物が見えるか、なんてふつう思いつかないんですよ、って内田樹は言って、すごい、天才ですよ、と橋本さんのことを言う。

 確かに知ってることを知らない状態にするのは難しいし、そんなことして他人の気持ちをわかろうとする人なんていないんじゃないか、と思うけど、そこが橋本治ってすごいな、と思った。

 この本読んで、ますます橋本治に親近感感じた。くだらない本も書いてるらしいから、時間があったらそれも読んでみようと思う。


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