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【読書感想】売れている本を読むー『勉強が面白くなる瞬間』を読んで

パク・ソンヒョク著 吉川南訳 ダイヤモンド社 2022年出版

 なぜかこの本がめっちゃ売れてて、著者が韓国の方だということを知って、試しに読んでみようと思って、購入した本。

 日本よりすごいと言われる受験大国の韓国ってこういう本どんな風に書くんだろう、と興味がわいた。読んで思ったのは、大人が読むものとしては、同時期に発売された坂口恭平の『中学生のためのテストの段取り』の方が面白かったように思う。この『勉強が面白くなる瞬間』は、どちらかというと、高校生、大学生向きで対象が狭いように感じる。なぜか、坂口恭平の本の方が、汎用性があるように思えた。

 受験大国韓国出身の本だからと言って、点をいかにとるか、といった本ではない。やはり勉強というものは点数ではなくて、生きがいに感じていくほどやりがいがあるもの、という論である。ただ、私が気になった点としては、たとえば教室にはどの席に座るとよい、とか、母親父親も大切にといった助言は、高校生大学生には言っておきたいことかもしれないけど、大人になってからはもっとモチベーションに関わる部分が読みたいな、と思った。動機づけと具体的なシステムそういったものが書かれていないとちょっと踏み込むには余地がある。この本は若干道徳的。

 それでも、やはり、韓国人の方がこういう本書いて日本に翻訳されて出版されるというのは、感慨深いものがある。昔、勉強したくてもできなかった人たちがいる、という話が書いてある章では、こういうこと改めて話す人とかもう身近にいなくなった時代だから、こういうこと、本に書くことは必要になってくるのかもしれない、となんとなく思った。

 しかし、この本なんでこんなに売れたんだろう。なぞ。最近、売れてる新刊を買ってみたりしてるんだが、なんでここまで売れるんだろう、と疑問に思うことがしばしば。宣伝がうまいんだろうか。特に、啓発書がばばばっとものすごく売れるのは、売る側の戦略がいいというか、書評にいっぱい取り上げられるとか、運もあると思うんですが・・・。


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