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韓国文学と韓国のことについて

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韓国文学の読書感想文をたくさん投稿してきたので、まとめました。 韓国についての本もまとまっていくつかあったので、一緒にしました。
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#小説

延長があるような小説ーーキム・ジュンヒョク著『楽器たちの図書館』を読んで

 キム・ジュンヒョク著 波田野節子・吉原育子訳 クオン 2011年出版  クオンという出版社…

森マリアンヌ
4か月前
2

韓国文学におけるSFとはーー『保健室のアン・ウンニョン先生』を読んで

 チョン・セラン著、斎藤真理子訳 2020年出版  図書館の本棚に、刺さっていたから借りた。…

森マリアンヌ
6か月前
4

音楽と小説の結びつきーー『そっと 静かに』を読んで

ハン・ガン著 古川綾子訳 クオン 2018年出版   韓国の新しい韓国の文学のシリーズに入っ…

森マリアンヌ
6か月前
2

主人公がいない小説ーー『フィフティ・ピープル』を読んで

チョン・セラン著 斎藤真理子訳 亜紀書房 2018年出版  斎藤真理子さんが翻訳やっていて…

森マリアンヌ
6か月前
10

お年寄りと若者の関係ーー『ショウコの微笑』を読んで

 チェ・ウニョン著 吉川凪監修 クオン 2018年出版   クオン社という出版社から、新しい…

森マリアンヌ
6か月前
5

【読書感想】貧困層の人たちの描写ーーキム・ヘジン著『中央駅』を読んで

キム・ヘジン著 生田美保訳 彩流社 2019年出版  地元の図書館の韓国文学のコーナーにあっ…

森マリアンヌ
10か月前
2

【読書感想】現代社会におけるルッキズムーーパク・ミンギュ著『亡き王女のためのパヴァーヌ』を読んで

パク・ミンギュ著 中川美津帆ほか訳 クオン社 2015年出版  パク・ミンギュという作家が書いた恋愛小説。クオン社が出版してる「新しい韓国の文学」というシリーズを踏破しようと思って読んだ。  始めの雪が降るシーンからの男女の光景が、なんか、一昔前に流行った韓流ドラマっぽくて、いかにもヨン様がでてくるんじゃないの?みたいな甘い恋愛小説の始まりでちょっとうんざりした。そこそこ長い小説だったが、終始、その甘い男女のやりとりがなじめず、韓国現代小説っておもしろい、と最近思っていた

文学の括りって?ーーチョン・セラン著『屋上で会いましょう』を読んで

チョン・セラン著 すんみ訳 亜紀書房 2020年出版  チョン・セランさんのシリーズになって…

森マリアンヌ
10か月前
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『世界でいちばん弱い妖怪』キム・ドンシク著を読んで

キム・ドンシク著 吉川凪訳 小学館 2021年 作者は1985年に生まれ、小説なども読んだこ…

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フェミニズム小説とは何かを考える2ー韓国文学を読んで

 前回、松田青子の小説の感想文書いてたら、「フェミニズム小説」という言葉が浮かんで、そこ…

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【読書感想】少子化が問題になった小説ーーイ・ヒヨン著『ペイント』を読んで

イ・ヒヨン著 小山内園子訳 イースト・プレス 2021年出版  図書館に行くと、韓国文学のコ…

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【読書感想】胸が握りしめられる読後ーーハン・ガン著『ギリシャ語の時間』を読んで

ハン・ガン著 斎藤真理子訳 晶文社 2017年出版  ハン・ガンの小説をもっと読んでみようと…

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【読書感想】希望が持てる話ーーソン・ウォンピョン著『アーモンド』を読んで

ソン・ウォンピョン著 矢島暁子訳 祥伝社 2019年出版  この本、数年前すごく売れて、よく…

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【読書感想】超地球的なことーーソン・ウォンピョン著『プリズム』を読んで

ソン・ウォンピョン著 矢島暁子訳 祥伝社 2022年出版  図書館の棚にあったから、借りてみた。つい最近読んだ『アーモンド』の著者ソン・ウォンピョンの小説。  4人の男女の恋愛話の長編作。『アーモンド』は青少年文学って言われてたけど、この本はそんなことないのかな。でも分かりやすい恋愛話だからやはり若干若い人向けのような気もする。久しぶりに読んだ真面目な恋愛話だった。三角関係のような恋やら、ずっと好きなんだけど相手が振り向いてくれない恋やら、いろんな恋のかたちを書いている。