【読書感想】貧困層の人たちの描写ーーキム・ヘジン著『中央駅』を読んで
キム・ヘジン著 生田美保訳 彩流社 2019年出版
地元の図書館の韓国文学のコーナーにあったから、借りてみた。
ある日、若者が中央駅に来て、ホームレスの生活を始めるところから物語が始まる。社会的に最底辺にいる男の話で、救いもない話がずっと続く。ホームレスを支援する人とのやり取りもあるが、男が落ちに落ちていく姿が書かれていて救いようもない。女が出てくるのだが、愛を交わす時に、愛しているのか、肉体的な欲望だけなのか、と終始自問するのも痛々しい。ホームレスという境遇で、女に