【読書感想】根底に流れるものーー小川洋子著『博士の愛した数式』を読んで
小川洋子著 新潮文庫 2005年出版
話題になっていた時は読まなかったが、小川洋子の小説に、はまってしばらくたってから、この小説を読んだがすごく良い小説だった。最後に涙がほろり。
家政婦とその子供と老人のお話なのだが、子どもと老人のやり取りがなかなかよい。小川洋子はこういうなんでもない女性と、子どもと、ずっと年の離れた老人の関係を小説にするのがうまい。そして、ちょっと不気味な感じもやはりある。その20代後半の家政婦と彼女が世話をしている老人が、恋愛関係にはならないんだ