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如何にして私はディズニーのスターウォーズにありがたがり、又はキレ散らかすようになったのか

スカイウォーカーの夜明けでスターウォーズから離れたそこの貴方、ディズニープラスのスターウォーズのドラマ観ていますか?僕は一か月100円の時に釣られてディズニープラスへ入会したタチです。

んでそれとほぼ同時期に配信開始した『キャシアン・アンドー』の出来が良すぎてビックリ仰天。
反乱軍の活動を主に描いていきながらストイックかつダーティで反乱側も汚れることをいとわないという一筋縄ではいかない物語、白兵戦の緊迫感あるブラスターの撃ち合いや妙にこだわりのあるスターファイターの出撃シーンに大気圏スレスレのチェイス、囚人たちが心ひとつになる脱獄シーンといった配信では勿体ない迫力ある描写などなど。
スローペースながらも丁寧に一つ一つを描いていくことで深みやカタルシスをもたらしてくれましたね。
ローグ・ワンからのぽっと出のキャラクターが主役で期待されていなかった作品が今までにないスターウォーズをしていて「ディズニーのスターウォーズこんなすげぇの!?スカイウォーカーの夜明けあんなクソカスだったのに?!」って勝手にたまげて毎週が楽しみでたまりませんでした。
最終回に至ってはあんなのエピソードⅣのオマージュを超えてもはや神話をなぞっている扱いでしょ。もろにあの構図で反乱の火花が飛び散るとか。
もうなんというか、ありがてぇ。

とまぁ、これだけでディズニープラス入った甲斐があったけど、マンダロリアンのシーズン3そろそろやるよってアナウンス出るまでマンダロリアン観ていなかったのでうっかり八兵衛めいてギリギリのタイミングでマンダロリアンのシーズン1と2も観たら、これもまたビックリ仰天。
スターウォーズでやる西部劇はもちろんのこと、もろに7人の侍オマージュ回も丁寧にこなしてはあのアイスクリームメーカーの正体を明らかにするなど。
挙句、シーズン2では第一話でモンスターハンターをしでかすという気の狂いっぷりを披露する狂気の沙汰。それに飽き足らず過去作キャラのゲスト出演も出していく。しかも台無しにならないという丁寧っぷり。単純にアクション自体も見ごたえがあるしそこの期待も裏切らない。
スターウォーズでのガンアクションってあんま大したことないイメージだったけどそれが覆りましたよ。
最後のジェダイを世に出したりそれを続編で台無しにしやがったディズニーとは思えないほど丁寧な仕事でむしろ困惑する始末。
シーズン2を観終えて満足し、いやーありがたやありがたや。シーズン3楽しみだなぁと思いながら感想をツイートして寝ようとしたその時だった。

「マンダロリアンのシーズン3観るならThe book of Boba Fettと話繋がってるんで鑑賞必須だよ」

What the Ass?
え、なにそれ。スターウォーズなんだから別に単独でそのまま完結するでいいじゃん。というかまずシーズン3やるって時点でこれ大丈夫なのかよあんな綺麗な終わり方したのに。
なにおまえMCUみたいなことしてんだ。おいこら。一気にめんどくささとハードルを高めるんじゃあないよ。洒落臭いのよ。
ここから徐々に違和感が増していった。そういえばフォロワーの感想ではボバ・フェットとオビワンのドラマはやたら評判悪いということを思い出す。
あれ?スターウォーズのドラマシリーズって実はダメな面も多いんでは?いやしかし観ないで判断するのはあまりにも愚策かつファンと作品に無礼。せめてボバ・フェットだけでも観て判断してからでも遅くはない。

そんなわけで翌日から短期間集中的にボバ・フェットを全話観たのだが。

う、う~~~~~~~ん............?つ、つまらなくはないけど......ないけども……
スターウォーズにわかの俺でも問題点がいくつも思い浮かぶ。

まず一つ、遠い昔、遥か彼方の銀河系のお話なのに文化や装飾と武器のデザインがおそろしく現代的で面白くない。これはマンダロリアンやアンドーでも浮き上がっていた問題点で、まんまステレオタイプのアジア的村や現代的ライフルとか、モロに迫撃砲まんまな迫撃砲まで出てくる始末だった。ボバ・フェットではさらに悪化して町のチンピラの駆るスピーダーバイクがもろに現代のスクーターっぽくて冷めるし酒場も宇宙人が居るだけのジャズバーとかの一点張り。カジノもEP8のカントバイトよろしく現代のと変わり映えがない(これもマンダロリアンにあったかな)。人体のサイバネ化する店もよく見るドレッドヘアの兄ちゃんが経営と施術するありきたりな感じ。

二つ、メインであるギャング抗争パートが耳から右から左になるどうでもよさ。出てくるキャラクターも薄いというかただ出てくるだけとしか言いようがないのでどうでもよさが加速する。出番も少ないし。せっかくダニー・トレホが出てくるのにボスが持ってきたデカ物のお世話役ってだけでそれで終わり。
この抗争パートよりボバがバクタタンクに入ってるときに思い出す夢として挿入されるタスケン村滞在記やスレーブ1奪還編のが面白いし、こっち一本に絞ってたらまだ集中して観れたかも。絵面も面白いし。
奴隷になるボバとかとにかく砂を掘りまくるボバ、白人酋長めいてスピーダーバイクの乗り方をタスケンレイダーにハニカミながらジェスチャーで教えていくボバ。俺いったい何を見せられたの?

そして最大の問題点。マンダロリアンでやれよ。ディンとグローグーの物語やるなら。1話だけならまだしも登場回(第5話)から最終回までの3回ぶっ通しでやっていってるのよ。いやあの、このドラマのタイトル「The Book of Boba Fett」なんですけど。ボバ・フェットの物語なんですけど。
ディンとグローグーがメインの回(最終回除く)はマンダロリアン本編で何度も監督してたブライス・ダラス・ハワード女史なのもあって、こっちのが億倍面白いし評価も高いしもうどうなってんだよ。ちくしょう、エピソード1のポッドレースをオマージュするなんて聞いてねえよ。こちとら前日譚三部作に思い入れあるんだから悶えるに決まってんだよ。

最終回エンドクレジットでメインテーマのコーラス付きが流れるんだけど「ボーバボバボバ」って歌ってたり「フェーット!」って叫んだりしてるんすよ(なんかこれだけ聞くとワンピースに出てる悪役の口癖みたいだな)。
まぁこれはシリアスな笑いとしてネタに出来る面白さだけど、問題はね、最終回のラストシーンをよりにもよってマンダロリアンの主役コンビであるディンとグローグーで締めてることなんすよ。その直後に「ボーバボバボバ」「フェーット!」。

↓みんなで歌おう、大名ボバ・フェットのうた

うん、分かるよ、マンダロリアンシーズン2もポストクレジットでまんまMCUめいたBoba Fett will returnな終わり方してたし。でもこれポストクレジットじゃねえのよ。本編のラストシーン(ボバのポストクレジットは知らない2人の匂わせで終わり)。
マジで?つまり、製作陣もこの2人の物語のが面白いって自覚的だったってことすか?もうわけわかんねえよ。そしてなにより腹立つのがこの記事の中で一番長く感想を書いているのがThe book of Boba Fettなことだ。え、なに結局気に入ってるのかこのドラマ。キレるぞ。

そんなこんなでやっぱディズニーのスターウォーズってやっぱりミソッカスなのではと不安になりながら観たマンダロリアン シーズン3初回。
……なにディズニー買収以降のキャラだと途端に本気出してくるの?この回、ただ惑星をたらい回しにされてるだけなのに絵面とキャラと彼らの掛け合いが良すぎて血管が8本くらい切れた。ちくしょう、こんな見せられたら最終回まで期待したり出来にも安心するに決まってんだろ。アンドーのシーズン2もたぶん大丈夫なんだろうなぁ。

こんな訳でディズニーのスターウォーズのドラマシリーズで感情を上下左右させられては有り難がったりキレ散らかすということをパッションの赴くまま書いていきました。
やっぱオビワンのドラマも観なきゃかなぁ、ここまで観ちまったからには。まぁ嫌な気はしないよ、ユアン・マクレガーとヘイデン・クリステンセンが出るのは注目してるし。たぶん思ったほど酷くないってこともあるだろうし(それはつまり良くもないってこともあるのよ)。なので気が向いたら観るだろうし、その時にはこの記事を追記修正した特別篇も出すと思うよ、以上です。


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