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コンテクスト・デザインとは何か?-③ ㈱モアミザンと映画監督・神保の出会い-1

コンテクスト・デザインについて、「コンテクスト」「デザイン」に分けて前の2回で考えました。

「コンテクスト・デザイン」という言葉の分析に進む前に、映画監督の僕が、どのようにして映像制作会社㈱モアミザンに参画するに至ったかということを書きたいと思います。「コンテクスト」というのは必ずしも場所・土地だけではなく人の身体にも流れているということが、僕とモアミザンの出会い方でわかると思います。

モアミザンは福岡市内の会社です。佐賀県唐津市出身の代表・奥野がなぜそこに拠点を構えることになったのかは、また別の機会に、本人に書いてもらおうと思います。

僕は東京都大田区の出身です。2016年3月はじめに子育てきっかけで、妻の出身地・福岡市に引っ越してきました。今風に言うと「移住」(ちなみに僕のような移住パターンはYターンというらしいです、Y=嫁)です。

一方、モアミザン代表・奥野は2016年4月に向けて、今まさに会社をつくろうとしているタイミングでした。最初にもらった名刺には、モアミザンではない会社名やロゴが書いてありました。

妻の出身地であるという以外縁もゆかりもない福岡に移住して来たばかりの僕。会社を今まさに立ち上げようとしていた奥野。この2人の人物が会ったのは、2016年3月4日(移住4日目!)に福岡市中心部にあるアジア美術館のホールで行われたCreative Meetupというイベントです。イベント後の歓談タイムのときに、当時福岡市役所のアジアフォーカス福岡国際映画祭担当だった方が引き合わせてくれました。

その時点で僕と奥野は、名刺交換をするのみにとどまりました。数カ月後にある場所で鉢合わせたり、翌年に一度個人で受けたマルチカム(複数台カメラ)の映像制作案件の撮影をお願いしたという程度の関与にとどまりました。しかし、奥野の動向はSNSで見ていて、なんとなく他の人とは毛色が違うなという目線で見ていました。

福岡市中心部にある小学校跡地をリノベーションしたFukuoka Growth Next(FGNとして福岡市の皆さんにはおなじみかと思います)のオープン記念イベントでも奥野に遭遇しました。そもそも福岡という都市は、東京と比べて知り合いとの遭遇率は高いのですが、振り返ってみるとやはり忘れた頃(忘れ去っているわけではないですけれども)には必ず奥野と遭遇していたのです。

僕がモアミザンに参画したのは2019年秋なのですが、ちょうど1年前の2018年秋に、ほんとうにほんとうに何となくとしか言いようがないのですが、モアミザンに近況を聞きに訪問しました。このときには、1年後に参画するとは夢にも思っていませんでした。

事務所の眺望が良さそうだなと思ったのと、いい意味で、奥野が日々SNSにアップしている動向に「一貫性のなさ」があったからです。「なさ」が「ある」というのが何とも意味不明ですね^^;

多くの偶然が起きていて、その偶然をちゃんとキャッチしつつも、芯(言語化困難)はブレていない。これが、「なさ」が「ある」ということかと思います。ちなみに、モアミザンのロゴはどういう経緯で決まったのか僕はしりませんが、不思議とそういう感じになっています。

そして1年後の、2019年8月末ぐらいだったかと思います。SNSで、制作陣から一歩引いた立場のポストを奥野が募集していました。その投稿を見た瞬間「これだ」と思いすぐ連絡してコーチング領域で携わることが決まりました。その頃、僕は2018年初頭からつくっていたイラン・シンガポールとの合作長編映画の撮影が終盤を迎えていた頃なのですが、何がどうハマったかということは、また改めて説明したいと思います。

話そうと思えばもっと具体的に話せるのですが、今回足を踏み入れるのはこれくらいにしておければと思います。

最後に、「コンテクスト・デザイン」の理解において大事な点をいくつかまとめます。

・福岡市(the design organisation)主催のイベントCreative Meetupで、僕と奥野(the contextual entity)が出会ったという事象において、デザインされていたのはどこからどこまでか

・僕が移住後初めて会った映像関係者が奥野だったという偶然は、紐解くとどういうことなのか?

・2019年8月末に「これだ」と僕が思うまでに積み重なった要素を分解すると、どんな要素がどれくらい堆積しているか

次回は、「㈱モアミザンと映画監督・神保の出会い-2 / コンテクスト・デザインとソーシャル・ディスタンス」という題で書きたいと思います。コンテクスト・デザインを説明するまでに50回ぐらい要しそうな気がしますが、どうぞ気長にお付き合いください。

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