- 運営しているクリエイター
記事一覧
さざなみ書評『論より詭弁 反論理的思考のすすめ』
プレクトラム結社の広報部長によるツイートは職人芸の域に達している。副業先の楽器メーカーで培った確かな科学知識と、「その場の思いつきでは?」という軽いノリで導出される結論のこじつけに妙味がある。そんな突拍子もないジョークが支持されるのは、広報全般を管轄し、年次の総会でも自ら演奏するなどして厚い信頼を築いていることも無関係ではないだろう。
しかし私はというと、東海随一の企業たるプレクトラム結社を
さざなみ書評『休日に奏でるプレクトラム』
「茶化してはいけない人」というのがいる。広報部長は記事の中でイジれるけど、関東支社社長はイジりづらい。中野二郎はネタにできるが、武井守成は気が引ける。交友歴の違いなのか、キャラクターの違いなのか。うまく言い表せないなにかを敏感に察知し、相手に合わせてコミュニケーションスタイルを微調整するというのは、業界を問わず採用されている処世術だろう。
そういう意味で、今回紹介する『休日に奏でるプレクトラ
さざなみ書評『ツイッター哲学 別のしかたで』
思えば、私のマンドリン生活はいつもツイッターと共にあった。大学の講義に出て、学食で昼食をとり、図書館で寝て、サークル棟で楽器を弾く。一連の行動の中でいくつツイートしていたかは分からないが、「人生の夏休み」に上気してどうしようもないことばかり呟いていたに違いない。
どんなツイートがあったかな、と思い返してみると、マンドリンを抱えたネコがサーフィンしてるクソコラや、都府楼跡の廃墟にヌマクローが立
さざなみ書評『〈彼女〉の撮り方』
どういうわけか、プレクトラム結社は写真をほとんど公開しない。画像ツイートは公演ポスターばかりだし、YouTubeに投稿される動画は白黒加工されてよく見えない。その映像もアンサンブル部門しか公開されておらず、合奏部門は音源だけである。したがってプレクトラム結社の実態を知るためには、会場に足を運んで公演を鑑賞するか、うまい棒でこき使われる従業員になるしか方法がないのだ。
これは広報部のブランディ