コロナ渦、保育士試験に独学で一発合格した話③(実技試験 造形編)
保育士の資格を取るために独学で勉強し、2020年(令和2年)の試験に一発で合格することができた。
・①はこちら→全体の流れや独学にした理由
・②はこちら→筆記試験編
今回は実技試験対策について書いていく。
コロナにより造形のみ受験
音楽・造形・言語のうち2科目選択する必要がある。
言語は本番で緊張して話が飛んだら終わるな...と思い、消去法で音楽と造形を選択した。(人前でのスピーチはド緊張するタイプ)
しかし、2020年(令和2年)後期試験ではコロナの影響で音楽の実技試験が行われなかった。
そのため、異例の1科目のみ受験となった。
造形試験結果は8割、実際の絵(再現)
合格ラインは筆記試験と同じ6割で、実技試験は50点満点のため30点以上で合格だ。
私の結果は41点だった。
2020年(令和2年)後期試験の造形のお題は「紙芝居が始まる場面」。
私が当日書いた絵を再現してみた。
ちなみにこの時の満たすべき条件をまとめると以下。
・人物:子ども(5歳)×3以上、保育士×1以上
・場所:保育室
・情景:保育士=紙芝居を始めるため子どもに声掛け。子ども=集まる。
制限時間45分のうち40分で終えたと思う。
実技試験対策期間は1カ月半
筆記試験後にユーキャン等各社が発表する解答速報を見て、「多分合格だろう」と思いすぐに実技試験対策を始めた。
公式の筆記試験合格通知書が届いてから対策しては間に合わない、とネットで見たからである。
すぐに始めたおかげで1カ月半の練習期間があった。
2020年10月24~25日:筆記試験 受験
2020年10月末:解答速報を見て答え合わせ
2020年11月1日:実技試験対策開始(造形のみ)
2020年12月13日:実技試験 受験
造形試験対策の流れ、対策前後のビフォーアフター
以下の流れで造形試験対策をした。
①制限時間(45分)以内に絵を描いてみる
②終了後、良かった点と改善点をいくつか書き出す
例:良かった点・・・条件を全て満たした、季節感を出せた
改善点・・・人物が小さすぎる、背景が寂しい
③改善点の中から1つ選び、「次回達成する目標」にする
例:「枠線内で人物が占める割合を半分程度にする」
(「人物を大きく書く」では抽象的すぎるので具体的に)
~翌日~
④「次回達成する目標」を意識して、別の題材で制限時間以内に絵を描く(①に戻る)
①~④を繰り返して少しずつ絵の上達を図った。合計で30枚ほど描いた。
とにかく1番始めから「45分以内」に描くことを厳守し、時間感覚を身に付けた。
また、毎回必ず1つの目標を掲げて描くことで確実にスキルを身に付けていけたと思う。
ちなみに練習初日の絵と最終日の絵を比べると以下。
(お題が違う&改善点を書き込んでしまっているので分かりづらいが...)
左:練習初日 右:練習最終日
人物を描く力はあまり上達しなかったが、線をはっきりさせ、色を濃く塗ることで明るい雰囲気になったと思う。
造形試験の独学合格にはネットを活用
私が対策のために購入したのは紙くらいで、絵のお題探しもコツの勉強も全てネット(無料)を使った。
・お題探し
「保育士 造形 例題」「保育士 造形 予想問題」等で検索すれば、様々な方々がお題を挙げてくれている。
過去数年分の造形試験の問題をまとめてくれている方もいるので、お題には困らないと思う。
しかし「正解」の絵を見られないことがある、という欠点もある。
過去の試験で出たお題ならば実際に合格した時の絵をネットにアップしている方も多いので「正解」を見られるが、例題や予想問題だとそうはいかないことが多い。
そういう場合は他のお題の絵と自分のものを見比べ、特定の事柄に着目して改善点を見つけるしかない。
例えば、
・背景に着目し、「遊戯室」がお題の絵と自分の描いた「遊戯室」を比べる
・子どもの年齢に着目し、1/3/5歳児の書き分けが出来ているか他の絵を参考にして見る
などである。
・絵の上達のコツ勉強
私の場合、まず活用したのが様々な方のブログである。基本的な点を把握するのに使った。
例えば
・本番の紙に書く前に、別紙に簡単な構図をかく
・輪郭線ははっきりと1本線、色塗りはカラフルで濃いめに
・子どもの年齢に応じた書き分け
・保育室、遊戯室、屋外等場所ごとに背景として書くといいモノがある
などなど...。「保育士 造形 コツ」等で検索してみるとたくさんヒットするのでざっと読んだ。
次に活用したのがYoutubeだ。
具体的な絵の描き方は動画で見るのが一番分かりやすいと思う。
例えば私の場合、絵を数枚描くうちに座っている絵や中腰の絵が非常に不自然だと気付いた。
そこで基本的な人物を描くコツについて話しているYoutubeを見つけ、人物の関節の取り方等を学んだ。
私がいくつか動画を拝見したのが「工房しろうず」さんのチャンネルのもの。
私が実際に見たものをいくつか貼っておく。
他にも過去の造形試験のお題、色塗りのコツ、色鉛筆レビュー等様々なトピックを網羅してくれている。
造形対策で使用したもの(購入品/家にあったもの)
前述のとおりほとんどの対策情報はネットで得たため、購入したのは紙のみ。色鉛筆等は家にあったものを使った。
・購入したもの(ケント紙)
試験本番で使用される紙がケント紙だという情報をネットで見た。
少しでも本番同様の環境で練習したかったので紙だけはアマゾンで購入した。
この紙にユーキャンの「造形解答用紙サンプル」を印刷し使っていた。
普通の紙よりも少し厚みがありツルツルしているため、書き心地は多少違うと思う。
マストアイテムではないが「本番はこんな感じか」という安心材料にはなる。
・家にあったもの(色鉛筆、鉛筆削り、その他筆記具)
色鉛筆を含む筆記具は全て家にあったものを使った。
もっと安くて色数もちょうどいいものはあると思うが一応リンクを貼っておく。
私の持っているものは30色入りだったがそんなに使わないので、15色のみ選んで使っていた。
ちなみに肌を塗る際はオレンジ色を薄く塗って対応した。うすだいだいを使うより血色が良く見えたためだ。
鉛筆削りも家にあったものを本番も持って行った。4cmくらいの小さなものだ。
その他構図作成の際はシャーペン、消しゴムはスタンダードなMONOのものを使った。
描く手順と時間配分 画像付き解説
人によって異なると思うが、私の場合は以下の8ステップで描く。
①条件確認(1分):
・問題文を読んで書かなければならないことを把握する
・保育士と子どもの人数、子どもの年齢、場所、状況を確実に押さえる
②構成(4分):
・5cm×5cmくらいの小さい構成図を別紙に作成
・枠に対して人物が半分以上の大きさになることを意識する
③下書き(5分):
(写真は撮り忘れたが、構成図の拡大版のようなもの)
・黄土色で薄めに本番の紙に下書きする
・多少線が重なっていてもOK。後で着色すれば線はほとんど見えなくなる
④人物の輪郭線(5分):
・茶色で輪郭線書き込み(写真では次の工程を始めてしまっている...)
・時短のため下書きは消さず、上から1本の太い線で描く
・あらかじめ決めてあるキャラクターを当てはめる(私は坊主男子×1、前髪男子×1、二つ結び女子×1、女性保育士×1を使いまわしていた)
⑤人物の肌塗り、顔書き込み(3分):
・肌の色と他の色が混ざらないよう先に肌を塗る
・輪郭線と同じ茶色で顔のパーツを書き込み、髪を塗る
⑥人物仕上げ(7分):
・人物の服等を塗って人物を大体仕上げる
・時短のため、人物ごとにあらかじめ決めておいた服の色を塗る
⑦背景書き込み(15分):
・背景や細かいところを書き込み、色塗り
・場所ごとにあらかじめ決めておいた背景を描く
(保育室なら下半分はフローリング、右にカーテンと窓、左に壁面装飾等)
⑧見直し(5分):
・あらためて条件を満たせているか確認、塗り忘れの確認
・時間に余裕があれば何か足す(私は壁面装飾や服の柄を足していた)
以上の8ステップが私にとってスムーズに進めやすい工程だった。
画面の大半を占める「人物」をまず完成させておくことで私は安心感を得られた。背景は短い時間の中でもなんとかなる。
まとめ:一発合格するために
造形試験の一発合格に大切なのはパターン化とひたすら練習の2点だと思う。
パターン化はキャラクターを作ることと背景となる場所の固定化だ。
上記の8ステップの中でも言ったように、私は基本的に4人の固定のキャラクターを作って使いまわしていた。
坊主の男子、前髪のある男子、二つ結びの女子、女性保育士だ。
また、「保育室ならこれを描く」「遊戯室なら...」「園庭なら...」と場所ごとに描くものを決めておくのも重要だ。
ネット上の他の方々の作品を参考にしながら自分なりのパターンを早めに作り出しておくと試験の時間節約になる。
ひたすら練習というのは文字通りだ。
筆記試験終了後~実技試験受験までの1カ月程度の中で描けるだけ描く。
回を追うごとにスムーズに描けるようになり、心に余裕が生まれると思う。
同じお題で何度か描くよりも様々な状況・異なる年齢の人物の絵を描いていくほうが、本番で初めて見るお題への対応力がつく気がする。
3つに分けた保育士試験一発合格の記事はこれで終了とする。
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