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漫画にぴったりのフォントってどんなもの?

こんにちは、同人誌印刷をBOOTHで始めました「ねこ社製造部」代表のしゃっけ(しゃっけはマンガ教室のペンネーム)です。今日は先日のひらめき☆マンガ教室の講義でありました使用するフォントについて、商業デザイナー歴20年の経験から記載してみたいと思います。

漫画の魅力のひとつに文字、フォントがあります。セリフやナレーションがキャラクターやストーリーを生き生きと描きます。それを引き立てるために不可欠なのがフォントです。今回は漫画にぴったりのフォントについて深掘りし、キャラクターやシーンに合わせたフォント選びのコツをご紹介できればと思います。感情や緊張感をどのようにフォントで伝えられるのか、そのテクニックにも触れますので、ぜひお読みください。

漫画にぴったりのフォントってどんなもの?

漫画に適したフォントとは、まずキャラクターの個性やシーンの雰囲気を視覚的に伝えるものでなければなりません。文字そのものが感情を持っているかのように、読み手にインパクトを与えるフォントが理想です。例えば、少年漫画であれば力強い太字のフォントや、丸みを帯びた元気なフォントがしっくりきます。

また、フォントの選択は読みやすさも大切なポイントです。あまりにも個性的すぎるフォントは、読者にストレスを与えてしまうことがあります。(この点はマンガも商業デザインも似ています)そのため、基本的な読みやすさを保ちながら、デザインや配置にも工夫を凝らすことが求められます。具体的には、文字の間隔や行間を適度に設定し、長時間読んでも疲れないようにすることが重要です。

さらに、フォントの統一感も重要です。一つのエピソードやシーンの中で異なるフォントを多用すると、読者が混乱する可能性があります。適切なフォント数を選び、全体の統一感を保つことで、作品全体の完成度が高まります。

キャラクターの性格に合わせてフォントを選ぶ

キャラクターごとにその性格や背景に応じたフォントを選ぶことが、物語の表現力を高めることになると思います。例えば、豪快で自由奔放なキャラクターには太くて力強いフォントがぴったりです。一方、繊細で内気なキャラクターには、細めで柔らかい印象のフォントが合います。

キャラクターの年齢や性別もフォント選びに影響を与えるかもしれません。少年少女キャラクターには、ポップで明るいフォントが適していますし、大人のキャラクターにはより落ち着いたフォントがマッチします。異なるフォントを活用することで、キャラクターがただの絵から生きた人に変わる要素のひとつではないでしょうか?

また、悪役のキャラクターには、その邪悪な性格を引き立てるフォントを選ぶのも一つの手です。鋭く尖った感じのフォントや、不気味な雰囲気を醸し出すフォントを使えば、読者はそのキャラクターの内面の暗さを一目で感じ取ることができます。

シーンや役割に合わせてフォントを使い分ける

シーンごとにフォントを変えることで、物語の緩急や深みが増します。例えば、緊張感が漂うシーンでは、力強く鋭いフォントを用いることで、その場の緊張感を視覚的に補強することができます。一方、穏やかな日常の場面では、柔らかなフォントを使うことで読者をリラックスさせることができます。

また、ナレーションやモノローグには、その特性に合ったフォントを選ぶことが重要です。ナレーションは物語全体を説明する役割を持つため、読みやすいシンプルなフォントを選ぶべきです。一方、キャラクターの心の声やモノローグはその内面の感情を表現するため、手書き風のフォントや斜めに傾いたフォントを使うと効果的です。

さらに、異なる言語や文化を表現するシーンでは、その国や地域特有のフォントを使用することも考慮に入れるべきです。これにより、読者は一目でそのシーンがどのような背景を持っているのかを理解しやすくなります。フォントの選択は、視覚的な演出を超えて物語の深層を伝える手段となるのです。

ドキドキ感を演出するフォントの選び方

ドキドキするシーンでは、その緊張感を倍増させるフォント選びが重要です。例えば、心拍数が上がるようなシーンでは、細かく震えるようなフォントや不規則なリズムを持つフォントを使うと臨場感が増します。また、急に大きくなる文字や、太字と細字を組み合わせるなど、視覚的な変化をつけることで読者の注意をひきつけることができます。

一方で、静かな中にも潜む不安感や緊張感を表現するには、細い線で描かれた独特なフォントが効果的です。このようなフォントを使用することで、読者は無意識のうちにそのシーンの緊張感を感じ取り、より深く物語に没入することができます。

フォントの色もドキドキ感を演出する一助となります。赤やオレンジなどの暖色系の色は緊張感を高める効果がありますが、あえて冷たい青や緑を使うことで不安感を強調することもできます。もちろんモノクロの濃淡表現も重要です。
色とフォントの組み合わせを工夫することで、感情の働きかけが一層効果的になるのではないでしょうか。

フォントで感情を伝えるテクニック!

フォントを使って感情を伝えるためには、その形状やデザインを巧みに利用することが必要です。例えば、喜びや興奮を表現するには、大胆で明るいフォントが適しています。逆に、悲しみや絶望を表すシーンでは、薄くて細いフォントがその感情を的確に伝えます。

また、強調したい言葉やフレーズに対しては、ボールド(太字)やイタリック(斜字)などのスタイル変更を組み合わせることが効果的です。意図的に文字を大きくしたり、小さくしたりすることで、文字の一部だけを大きくすることも効果的で、キャラクターの心の動きを視覚的に表現することができます。特に絶叫や驚愕のシーンでは、大きな太字のフォントが効果を発揮します。

さらに、文字の配置やレイアウトも感情を伝える際に大きな役割を果たします。文字を斜めに配置することで緊迫感を演出したり、文字を波形にすることで揺れ動く心情を表現する方法もあります。これらのテクニックを駆使することで、読者の感情をキャラクターの感情とシンクロさせることが可能になります。

漫画のフォント選びで人気のあるフォントは

漫画のフォント選びには定番となっている人気のフォントもあります。その一つに「コメディフォント」があります。こちらは、ポップで明るい印象を与え、特にギャグ漫画や軽いコメディシーンでよく使用されます。丸みを帯びたデザインが特徴的で、読み手に親しみやすさを感じさせます。

また、シリアスなシーンや緊迫した場面には「ゴシックフォント」が人気です。太くて力強いラインが特徴で、キャラクターの強さや緊張感をダイレクトに伝えます。多くのアクション漫画やホラージャンルでよく使われる一方、その読みやすさから一般的なナレーションやセリフにも適しています。

最後に「手書き風フォント」も根強い人気があります。キャラクターのモノローグや手紙、メモなどのシーンで多用され、その自然な感じが読者にキャラクターの内面をより深く感じさせます。特に感情表現が重要なシーンでの使用が多く、その柔軟なデザインは幅広いジャンルで愛用されています。

フォント選びは漫画制作における細部の一つかもしれませんが、その影響力は絶大だと思います。キャラクターやシーンにぴったりのフォントが物語をより魅力的にし、読者を深く巻き込む力を持っていると思っています。感情や緊張感を効果的に伝えるためのフォント選びのテクニック、素晴らしい物語には心に響く言葉と、それを支えるフォントが必要不可欠です。

【基本的な主なフォント】
源暎アンチック: 漫画の基本的なセリフで最もよく使われるアンチック体のフォント。シンプルで使い勝手が良く、癖がないのが特徴。
やさしさアンチック: 基本的な会話やセリフによく使われるアンチック体のフォント。シンプルでスッキリとした印象。
モノローグやナレーション用】
源柔ゴシック: モノローグやナレーターによく使われる丸ゴシックのようなフォント。角が丸いため、柔らかい印象を与える。
強調フォント】
源真ゴシック: 強調したいセリフや重要な言葉に使われる角ゴシックのフォント。力強い印象が特徴。
源ノ明朝: 名言や強調したいセリフに使える明朝体のフォント。荘厳な雰囲気があり、書体そのものに強い意志を感じる。
【ポップ・可愛いフォント】
りいポップ角: 可愛い女の子キャラのセリフやとぼけたセリフに使われる手書き風のポップ体フォント。親しみやすく楽しい雰囲気を持つ。
コーポレート・ロゴ: 間の抜けた会話や幼い子供のセリフに使われるフォント。可愛らしい印象を与える。


ねこ社製造部LINEBOTにAIのねこ社長が登場!

印刷に関する疑問をAIが回答します!ぜひご活用ください!お友達登録をして印刷のギモンをなんでもお尋ねください。ときどき回答を保留することもありますが、、、、。猫だけに気まぐれですがよろしくお願いします!


最後に、「しゃっけ」のペンネームは自分の飼猫からきています。記事中の画像のねこも我が家の猫がモチーフです。そして、WEB印刷サービスのねこ社製造部のメインキャラクターです。この猫をAIにしてLINEのBOTを作成してみました。
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最後までお読み頂きありがとうございます!次回もよろしくお願いします。

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