水彩月子🌙

マイペースに小説を投稿する人。短編集が多くなる予定。家族は夫と1歳の娘で、将来は犬を飼…

水彩月子🌙

マイペースに小説を投稿する人。短編集が多くなる予定。家族は夫と1歳の娘で、将来は犬を飼えるともっと嬉しい。好物は甘い物で、執筆のお供は甘いカフェラテ。読書、執筆、庭いじり、散歩が趣味。今年の目標は、楽しく書くことと短編集をKindle出版すること。

最近の記事

【短編】優しいあなたが笑ってくれれば幸せだ

仕事が楽しい坂下未来はまだまだ子どもを持つことを考えられない。大学の友人と話したことをきっかけに、夫の勝也に子どもが欲しいか尋ねるが、話は斜め上に進み始める。 仕事は楽しいし、あなたがいれば幸せだし。 ぴぴぴぴぴぴぴ–。 どこの家庭でも聞かれるだろう、どこか安っぽい電子音が鳴る。未来は目覚まし時計を乱暴に止めると布団を頭からかぶった。しばらくして、ガバリと飛び起きる。枕元で充電していたスマホを引っつかんで日付と曜日、予定を確認する。–間違いない。今日は出社の日だ。 「あ

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      私には1歳の娘がいるので、童謡を歌って聞かせる場面も多い。 そのレパートリーの中に「いぬのおまわりさん」がある。 私の祖父はお金があったのかなかったのか分からないが、とにかく私を甘やかしてくれた。 4、5歳になるまで、祖父宅に泊まる日には必ずリビングにあったカラオケセットで歌った。 子どもが歌う童謡の入った大きなディスクを祖父が機械に入れてくれて、マイクもつないでくれる。 私は両親と祖父母、弟と妹をお客に熱唱したものだ。 その中に、「いぬのおまわりさん」があった。 お

      • 【短編】ゆるりとかけるブレーキは心地よい時がある

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        • 【短編】王子様は現れないけど、私もお姫様じゃない。

          同棲までしていた恋人に裏切られて別れた本町香澄は一人暮らしを謳歌中。 そんな折、元恋人の木村龍樹と新しい恋人の綾野雫と街で出くわしてしまって。 新しい生活は悪くないちゅんちゅんと雀の鳴く声に意識が浮上する。薄く目を開ければ、細い日差しが昨晩脱ぎ散らかした服の上に差している。 (ーベッドで寝たあたし偉い) まだ寝起きでぼうっとする頭で香澄はそう自分を褒めた。 今日は土曜日だ。経理として働く香澄は、月初と月末以外は基本定時で帰れる。昨日大学の友人から久しぶりに飲みにいかな

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          道楽で小説を書く

          はじめまして。 水彩月子と申します。 noteでは、細々とマイペースに短編の小説を投稿していけたらと思っています。 私は中学生の頃からライトノベルにはまっておりまして、勝手に続きを考えたり、オリジナルのライトノベルを書いたりして遊んできました。 最近は30代にもなりましたし、そろそろ落ち着いたおとなのお話がかけたら嬉しいなと思っているのですが、それもなかなか難しいものですね。 なにしろ自分が落ち着いた大人ではありませんから、物語の中にどうやって落ち着いた人間を登場させ

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