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松本隆さんのことば

移動時間はとにかく暇なので、折角だから読書感想文書く。?

作詞家松本隆さんについての本です。
私が好きな現代詩人の最果タヒさんが帯を書いているのを友達が見つけて教えてくれて、出会いました笑
なんか、読まなきゃ!と思った。
そういう直感って大事にしていきたい。

松本隆さんは、「赤いスイートピー」とか「木綿のハンカチーフ」とか「硝子の少年」とかを書いた人らしい
こういう代表曲は聴いたことあるけど、今まで作詞家さんに注目してみたことはなかったなぁ。

著者は延江浩という人で、ラジオのプロデューサー的な人
その人が松本さんに取材をしてこの本を作ってくれたらしい
松本さんの感性のルーツから、作詞家になるまでの過程、作詞をする上で意識していることや、松本さん自身が詩の解説のようなものまでしてくれていて、読み応えがあった。けどとても読みやすくて、3日くらいで読み終えた。

松本さんが作詞した楽曲がたくさん出てくるわけだが、やはり世代が違う(てか生まれてない)ので、知らない曲や、題名は聞いたことあるけど歌が浮かんでこない、というような楽曲が多かった。もし私が詳しければ、もっと楽しめたのかなぁ、
最初はそう思ったんだけど、
読み進めていくうちに、必ずしもそうではないとわかった。
メロディーを知らない、ということはその分自分の想像力を使ってその詩を読むことになる。
歌として聴いた時とまた違う印象があって、楽譜にのせて次々進んでいくのではなく、一つ一つの言葉を自分の中に落とし込みながらゆっくり読むことができる。そうすると、その詩や言葉の持つ意味がより一層心に染み込んでくる。
知らない、ということは可能性に満ちたことなんだなぁ。
私は本当に知らないことだらけで、
昔の楽曲も映画も本も、何ならディズニーやジブリも最近まで観たことなかったし、その分他の人と差があるような気がしていた。
知らないことが恥ずかしいと思っていて、焦っていた。
だけどこれを読みながら、これからは知らないこともどんどん胸を張って楽しもう!と思った。

たくさん好きな詩があったけど、
一つ挙げるなら『瑠璃色の地球』
松田聖子さんが歌った曲。
私は高校の音楽の授業でこれをやったから、なんとなく思い出のある楽曲だった。
高校の時の、なんか切ない暗い気持ちを思い出した。
私の高校はがっつり普通校で“自称進学校”と呼ばれるような高校で、
そんな中ダンスや演劇に興味がある陰キャの私は、浮くどころか存在が沈み込んでいた笑
音楽の授業でこれを歌っていた時は、
この宇宙とか世界とかの壮大な世界観の歌詞に感動しないように、
自分で自分を抑圧していた。
なんか苦しかった気がするなぁ。
それに比べたら今は自由で幸せ。
こんな風に、自分が感動したことをつらつら書いて、それを読んでくれる友達がいるなんて。
高二の私にタイムスリップして教えてあげたいです。

最初に松本さんが書いていたとおり、過去の記憶は思い出すべき時に自然と思い出せる。
私にとっての『瑠璃色の地球』みたいに、音楽や小説はその時の自分の感情のメタファーみたいになってくれている。その音楽を聴けば簡単に、当時の気持ちや景色を思い出せる。
だからわたしは、これまで触れてきた音楽や小説を信じて任せてみようと思う。そしてこれからも、私の記憶の代わりとなってくれる作品が現れますように。

さ、飛んできまーーす✈️

(友達との公開日記からの引用…笑
2021年12月27日)

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