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夜明けのすべて
思いっきりネタバレしますので、ここから先見る方は程よくネタバレ気にせずに記しているので、ネタバレに関してはご自身の判断でお願いいたします
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「出会うことができて、よかった」
人生は想像以上に大変だけど、光だってある―
月に一度、PMS(月経前症候群)でイライラが抑えられなくなる藤沢さんはある日、同僚・山添くんのとある小さな行動がきっかけで怒りを爆発させてしまう。だが、転職してきたばかりだというのに、やる気が無さそうに見えていた山添くんもまたパニック障害を抱えていて、様々なことをあきらめ、生きがいも気力も失っていたのだった。職場の人たちの理解に支えられながら、友達でも恋人でもないけれど、どこか同志のような特別な気持ちが芽生えていく二人。いつしか、自分の症状は改善されなくても、相手を助けることはできるのではないかと思うようになる。
感想
パニック障害もPMSも自分なのに自分でどうすることも出来ない
もどかしい想いを抱えつつ、自分と向き合っている
とても正直でだからこそ、どこか生きづらい
同じ診断でも人によって症状も感じ方も違うから、分かってほしいのではない
パニック障害もPMSも言い訳にしていない
ただ知ってほしい
それだけでも少しだけ心が軽くなる
正直にいられる
ずっとダッシュで走り続けるのはしんどい
ゆっくり走るでもいい
たまには歩いていい
無理せずに頑張る
無理しないことを頑張る
穏やかな色彩で寄り添う曲が流れる中、視覚も聴覚も無駄に刺激せずに、そっと沁み込んでくる
山添くん(松村北斗)
パニック障害を抱えているからなのか、どこかつっけんどんで、目も合わせず取っつきにくい存在
通院しつつ前の職場に戻ろうともがいていた
だから藤沢さんにも最初はパニック障害を否定しようとしていた
雪解けのように少しずつ受け入れて、PMSにも理解しようとしたり、3回に1回と無理のない範囲で支えようとしたりする優しさを持ち合わせている
彼女からの別れの気持ちを汲み取った時の決心した口元の動き
松村北斗だからこそ出来た演技で、北斗くんが演じてくれてよかったと想える山添くんだった
藤沢さん(上白石萌音)
PMSでどうしても自分の衝動を抑えられない
そんな自分にもイラついてしまう
普段は周りに気にしいなくらいに気を使いまくっているからこその悪循環
いつものニコニコの配慮の塊の藤沢さんとイライラスイッチ入っている目の藤沢さんの乖離を強張った表情で体現する萌音ちゃんに共感しまくりだった
印象的なシーン
山添くんの過呼吸と藤沢さんのイライラ
それぞれの一番精神的疲労があるシーンだったと思うくらいとてもリアルで苦しくも見入ってしまうシーン
山添くんの髪を切るシーン
思ったよりもバッサリいく藤沢さんの大胆さが好きだったな
山添くんにバレない様にポケットに入れようとしたり画策するけれど、ずっと握りしめていて、気付いてハッと手放すのがちょっと笑っちゃう微笑ましいシーン
山添くんの彼女との対峙
彼女はロンドンに行くとなった時も淡々としていて、彼女は悲しかっただろうなと思いつつ、彼女からの最後の一言に気付き覚悟を決めた口元の動き
栗田さん(光石研)ヘルメット
お茶目だったのが最大の癒し
エンドロールが終わってもしばらくそのままゆっくり浸っていたい
どこにでもある普遍的な日常なのに、どこか分からないけれど漠然と心が軽くなる作品
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