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一応、社長。 ITの隙間デザイナーとして生きていく話

株式会社MoWorks、社長のもーこと申します。

早くも会社設立から5年が経ちました。今まで自分自身のやってきたこと、仕事や会社への想いをあまり外に出すことがありませんでした。正直こういったアウトプットが苦手だというのもあります。
しかし今年は社員も増え、やり方も考え方も自分自身も変わっていかねばならないという状況となり、今、考えていることを外に出すことで思考を整理し前へ向きたいという想いから文字を書くに至りました。

そもそもによくよく考えてみると、自分は何をしている者なのか謎なのです。社長?ディレクター?デザイナー?資料作成屋さん?
自分は一体何者なのか。これからどこに向かおうとしているのか。
そのあたりも含めて今思うことを書いていけたらと思います。

今までの経歴

2003年に長岡造形大学卒業。新卒でシステム会社入社、エンジニアで2年、デザイナーとして7年勤務。その後転職、アニメ系のコンテンツ製作、配信会社に1年勤務。退職してフリーランスを1年ほど続ける。仕事が取れず、貯金が無くなりかけていたところ、現副社長(サーバサイドエンジニア)との出会いがあり、2015年 株式会社MoWorks(モワークス)を設立し、今に至る。

社長と名乗るのはおこがましくない?

ちなみに、会社を作って5年の中で今まで堂々と「社長」と名乗ったことは1度も無かったと思います。
今でも初めましての方とお会いする際は「デザイナーです」「ITコンサルのようなことをしています」と自己紹介することが多いです。もしくは「会社をやっています」という言い方をしていました。
名刺には便宜上「代表取締役」と肩書が入っているのですが、名刺を出さない場では自分から伝えることは無いです。でも聞かれたら役職を答えますし、隠しているつもりは全く無いのです。
では、なぜ「社長」と名乗らないのか。これにはいくつか理由があって、

・「社長」と名乗るにはまだ早い
・「デザイナー」(実際にやっていること/できること)と言う方が相手に伝わりやすい
・「デザイナー」としての肩書を捨てたくない

というのがあります。
1つ目は私自身の中での「社長」とは何ぞや?と考える部分になるのですが、こちらについては思うところあるのでまた別のnoteとして分けたいと思います。
本当は社長などとはおこがましいので言いたくない。

では、デザイナーって何してる人ですか?隙間デザイナーとは

今回、「隙間デザイナー」と書いたのには訳があります。
Webデザイナー、グラフィックデザイナー、UIデザイナー、UXエンジニア、情報設計、コンテンツデザイナー… IT業界において「デザイナー」と名乗る時、本当にたくさんの役割や範囲があります。しかも、日々新しいものが生まれているのです。
ITに関わる方とお話しした時に「デザイナーです」と名乗ったとして、相手の方が頭の中で描くデザイナー像とピタリとはまるのは稀ではないかと思います。デザイナーはhtmlコーディングまでできる、と思っている方もいますし、コンテンツ制作もできると考えている方もいると思います。実際にできる方もいます。
で、何で隙間?

「隙間」とは「役割の隙間」のことです。
「エンジニア」「デザイナー」「営業」これはそれぞれ役割が違うことは明確だと思います。ですが「仕様変更があった時にエンジニアさんに経緯がわかるようにお客さんとの打ち合わせ内容を資料化し、説明しやすくする」「コンペで勝つためのプレゼン資料と一緒にデモアプリを作成し、デモを動かせるように準備する」というのはどの役割の人がやるべきなのでしょうか。
「エンジニア」「デザイナー」「営業」全てがやるかもしれないですし、別の役割の人がやるのかもしれない。

そういう「誰がやるのかよくわからない領域」をやる人。それが隙間デザイナーです。

「実際、そこまでやらなくても良くない?」と思われたりもします。別にきれいな資料を作らなくてもコンペに通るし、資料をわざわざ作らなくても口頭でエンジニアさんに伝えることもできます。でも、そこまでやることによって人に伝わる精度が格段に高くなるのです。デザイナーはどんなデザイナーであれ、相手の伝えたいことを自分の持てる技術を通して可視化することができます。その力を役割の隙間で発揮するのです。

自分の領域からはみ出していくこと→隙間→つなぎ目

「役割」の間に隙間は必ずあります。その隙間にはみ出していくことによって、今度は隙間ではなくてつなぎ目となることができるのです。
デザイナーが役割の隙間にはみ出すことで、デザイナーの持つ可視化能力が生き、「役割」の隙間を埋め、コミュニケーションを円滑にすることができると考えています。

隙間デザイナーとして空気でいたい

なんだかよくわからないけど、あの人といると仕事がしやすいよね。
何をやりたいのか決まってないし、ふわったした案件だからあの人に頼もう。デザイナーの謎のこだわりのせいで画面が作りにくいと思ってたけど、こんな視点で見ていたんだな。コンペの資料で何揃えればよいかわからんから相談したい。
「隙間デザイナー」は普段は空気みたいなものなので目に見えないのですが、困った時には必要になる。そんな存在となっていきたいのです。

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