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点検を装った訪問セールスに従事してしまった後遺症

関東電気保安協会というところから、「電気設備安全点検訪問日のお知らせ」という書面が届いた。
訪問して、漏電等、電気設備の安全点検を実施するという。
結論から申し上げて、この「電気設備安全点検」は、名目の通り、安全点検であり、金銭を要求されたり、不要な商品をセールスされたりすることはないので、安心して点検を受けてほしい。

何度かnoteにも書いたが、ボクは、過去、某大手通信メディアインフラ系企業において、営業部に配属されていた。
ボクが就業していたその会社は、「設備点検」という名目で訪問し、実際には、訪問先の顧客に有料サービスに加入するように迫る、訪問営業セールスを主体的に行っていた時期があった。

いわゆる「点検営業」である。

現在は、過去と比較すれば、「営業である」という訪問目的を明確にするようになっては来ているが、正直、まだ一部にその名残は残っている。

本部の営業部門の上層部、各地域の叩き上げの営業部長などが、「点検営業」全盛期に、優秀な営業成績を誇った人物たちなのである。

そんな会社で、実際に訪問営業も行ったし、長い間、営業部の営業成績を集計したり、訪問セールス用の販促物を製作したりする、営業事務に従事していた。

「訪問点検のお知らせ」といった、顧客向け配布物もたくさん作った。
営業部長、訪問する営業マンと共に、どのような文章が、顧客に対して効果的(安心させて、警戒心を無くさせて、訪問件数を上げる、相対してくれる件数を上げる)なのか?どのような文章が、法律スレスレOKなのか?といった議論を交わし、研究し、製作物をブラッシュアップしていった。
(やがては、全地域を統括する本部から、最も効果的かつ、コンプライアンスに基づく、研究しつくされた統一の文章が配布されるようになるのだが・・・)

そんなわけで、ボクは、「訪問販売」や「訪問点検」の類に必要以上に疑念を抱く。
ハッキリ申し上げると訪問販売は大っ嫌いだ!!

そういえば、まだ以前の会社に就業していた2015年、その名も「だいっきらい展」という写真展で、「訪問販売だいっきらい!!」という展示をさせてもらった。

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しかも、最近、首都圏では「ガス点検」を装った強盗事件も発生していた。

そこで、今回の「電気設備安全点検」の点検については、嫁様ではなく、ボクが休みの日に時間を指定させてもらい、ボクが対応をすることにした。

本日、約束の時間。
時間通りに「ピンポーン」とドアのチャイムが鳴り、身分証を持ち、作業服を着た点検作業員が、分電盤を確認、ものの5分ほどで、作業終了し、切り上げていった。

WEB等も確認し、関東電気保安協会についても調べていたので、点検してもらって安心した。

やれやれ。。。

ボクは安心して、布団に転がると、少しウトウトし始めた・・・。。。

すると・・・

「ピンポーン」

玄関のチャイムが鳴った。

誰だろうと思いながら、ドアを開けると、そこには、軽ライトバンが止まっていて、作業服を着た男が数人立っていた。

「こんにちはー、工事に来ました!!」

何の工事か告げないまま、男たちは段ボールに入った部品やケーブル類を車から降ろし、玄関の前に積み始めた。

「おい!!何の工事だ!?ウチは工事なんて頼んでいない!!」

「必要な工事なんで、作業させてもらいます!!ちょっといいですか?」

男たちは問答無用に、ドアを開けて、段ボール箱を家の中に入れてくる。
その箱の中に「CATV」と書かれた箱があることに気付いた。

「お前ら!!ケーブルテレビだな!!??」
作業員は、ボクの質問には答えず、黙々と作業をし始めている。
一人は勝手に家に上がり込んで、2階への階段を登っていく。

思わずボクは怒鳴り散らした!!
「何やってんだ!!ウチは、ケーブルテレビはいらねぇっつってんだろ!!!帰れ!!帰れ!帰れ!帰れ!帰れ!帰れ!帰れっ!」

そこでボクは目が覚め、飛び起きた。。。

夢だった。。。


心臓がドキドキしていたが、誰も訪ねてきてはいない。
平和で静かな午後のひと時だった。

ホッとして、ボクはまたウトウトし始めた・・・。。。

すると・・・

「ピンポーン」

玄関のチャイムが鳴った。

誰だろうと思いながら、ドアを開けると、そこには、ボクが以前勤務していた会社で工事に使用するような、高所作業車のトラックが止まっていた。

9m級高所作業車

「こんにちはー、緊急作業の依頼があったので、工事に来ました!!」

「待て待て待て待て!!ウチは工事なんて頼んでいない!!」

ボクは慌てふためいていたが、高所作業車から降りてきた背の低い作業員のおっさんは、素っ頓狂な顔で、悪びれる風もなく言ってきた。

「えー?そうなんですか?作業しなくても緊急出張の訪問費用だけはかかっちゃいますが?」

「何言ってんだ!!工事なんて頼んでいない!!早く帰れ!!帰れ!!帰れ!帰れ!帰れ!帰れ!帰れ!帰れっ!」

そこでボクは目が覚め、飛び起きた。。。

また、夢だった。。。

秋めいてきた、涼しい午後だったが、ボクはじっとり汗をかいていた。

ボクの記憶の中に刻まれた、仕事の記憶は、まだ自分が思っている以上に、はっきり残っているようである。


ムーニーカネトシは、写真を撮っています!
日々考えたことを元にして、「ムーニー劇場」という作品を制作しておりますので、ご興味ございましたらこちらをご覧ください!


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