新規事業立ち上げは、企業にとって成長と革新の源泉です。
しかし、その道のりは決して平坦ではありません。
新規事業の成功率はわずか10%〜30%とも言われ、この低い成功率の背景には様々な要因がありますが、今回は特に担当者が直面する最大の課題の一つ
「十分なチーム体制を整えられない」
という問題に焦点を当てます。
皆さん、こんにちは。
MOONSHOT WORKS株式会社の藤塚洋介です。
コンサルタントとして、数多くのプロジェクトに携わってきた経験から、今日もある「あるある」な課題についてお話ししたいと思います。
社内起業家のあるある「何でも屋」「24h/365日」
多くの新規事業担当者は、こんな状況に身を置いているのではないでしょうか。
このような状況は、「社内に仲間がいない孤独感を感じる」ことに繋がっています。新規事業の世界では珍しくないことですね。
なぜこのような状況に陥るのか?
1.リソースの制約
スタートアップの初期の平均チームサイズは2.5人程度と言われています。
大企業の新規事業プロジェクトでも初期段階では1人、さらには兼務ということも珍しくありません。
2.専門性の壁
新規事業は既存事業と異なる専門スキルが必要となることが多く、社内で適切な人材を見つけるのが困難な場合があります。
例えば、技術部門で新規事業を立ち上げる場合に、そもそもビジネスの専門家が全くいないことに頭を悩ませているケースはよく見られます。
3.スピード要求
事業開発のスピードが遅い企業は成功確率が低いという結果が出ています。
例えば、アイデアの着手段階ではどの企業より早くスタートしたものの、ローンチまで時間がかかりすぎて他社に先を越されたというケースは多いのです。
「苦節何年、○社より私の方が先にやってた。先見があったのに…」
と悔しがる言葉を何度も聞いたことがあります。
特にフィンテックやVR、ChatGPTなど近年は技術が急速に進み、悔しい思いをした起業家も多いはずです。
4.組織の理解不足
企業の70%以上が新規事業の重要性を認識しているにもかかわらず、実際に十分なリソースを割り当てているのは30%程度に過ぎないと言われています。
どうしても予算配分や人員割り当ては、既存事業優先の傾向が強く、さらには「ROI重視」の既存ルールで予算を取らなければいけない企業も多いでしょう。
これらの要因が重なり、担当者は「全て自分でやらなければならない」という「自前主義」の思い込みに陥りがちなのです。
しかし、この自前主義は長期的には「スピードが落ち」「ナレッジが貯まらない」大きな落とし穴となります。
課題克服のためのステップバイステップガイド
では、どのようにしてこのチーム課題を克服すべきでしょうか?
以下に、実践的なステップを示します。
Step 1: 現状をチェック・分析する
まずは自分の状況を客観的に分析しましょう。
以下のチェックリストを使ってYes/Noで現在の課題を明確にしてください。
Step 2: 専門家の知見を活用する
専門性が高い領域を自分でマスターしようとするのではなく、各分野の専門家とコラボすることも重要です。
一方、ある程度分野の知識・理解がないと、全て専門家の言う通りになり主体性がなくなってしまいますので、このバランスを取るのが難しいのです。
Step 3: 社外との”直タッチポイント”を作る
No.5〜7のチェック項目「社外人脈」はあらゆるシーンにおいて役立ちます。
初期のユーザー調査のインタビュー対象になったり、お互いの強みを活かして社内の常識を打ち破るアイデアも生まれやすいのです。
Step 4: 社内の巻き込み
新規事業を進めるのには役員クラスの協力を得ることが欠かせません。
商品は良くても、お客様がついても、上層部の理解が得られずに日の目を浴びなかったプロジェクトはいくらでもあるのです。
桃太郎から学ぶ、段階的なチーム作りとは?
ここまで理想を説明しましたが、実務では一度に完璧な社内チームを作ろうとせず、段階的にチーム拡大していく戦略が有効です。
以下は仲間を段階的に巻き込んでいく「チーム拡大ロードマップ」です。
ポイントは、全体を俯瞰してアドバイスできるメンターに入ってもらい、メンターには、「どんな仲間を」「どのタイミングで」強化するべきかのアドバイスをお願いするのです。
桃太郎も、「鬼退治をする」と決めた時は一人でした。
「おじいさん」と「おばあさん」という絶対的な支援者がいただけです。
そして道中で徐々に仲間を増やしていきました。
もし、最初からあんなに大勢の仲間がいたら出発の準備に時間がかかって、鬼退治が間に合わなかったかもしれません。
新規事業でも序盤フェーズで初心者が沢山いても、どのように進めていいかわからず、合議制、多数決になりがちでありきたりなアイデアになったり、停滞するケースもよく見られます。
桃太郎の「鬼退治」と同じように、皆が共感する「ビジョン」にメンバーを巻き込んで徐々に増やしていけばいいのです。
まとめ 仲間は社外にもいる
いかがでしたか?
最後に、皆さんは決して孤独ではありません。
社外には同じように切磋琢磨している仲間が沢山いるので、会社を超えてつながるのがおすすめです。
そして、実は社内に仲間がいないようで探してみれば必ずいるもの。
桃太郎のように、求めればいつか現れるのです。
それでは、診断シート、ぜひやってみてくださいね。
新規事業・社内起業家のこんなケースも取り上げて欲しい、もっと詳しく聞きたい。という方はコメントか、MOONSHOT WORKSのHPからお問い合わせくださいね。