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気持ちの重心

武道の始まりには構えがあります。
半身になるのも構え、深く腰を落とすのも構え、構えを取らないのもまた構えの一つです。
構えを構成する主な要素は三つあります。
手の構え、足の構え、そして重心です。
手の構えは攻撃に対する防御と反撃、足の構えは攻撃に対する回避と反撃を司ります。
そしてそれらを効率よく運用する為にあるのが重心です。

前に重心がある時は前進する力がかかる為、追撃しやすく、また押す力に対する耐久性も上がります。
一方で後ろに重心がある時は安定感があり、後手に回っても落ち着いた対処ができます。

前重心と後ろ重心は図にすると三角形のイメージです。
前重心は前側に直角がある直角三角形、後ろ重心はその逆です。
やや前重心なのが剣道、後ろ重心気味なのが空手と言われていますが、それは流派によって変わるかもしれません。
合気道は前でもなく、後ろでもなく、真ん中です。
重心の偏りがあると直角三角形なら、真ん中なら二等辺三角形かというとそうではなく、イメージは一本の軸です。
押されて負けない状態でもなく、どっしり構えるのでもなく、自由に回転できる軸のイメージです。
回転するコマは模様や回転のブレがなければ止まって見えますが、触れるものは弾きますし、弾かれても自分の軸は真っ直ぐ安定し続けます。
綺麗に回転し続ける軸のような真ん中重心が一番強い、私はそう信じています。

そんな軸は商品企画の姿勢にも通じます。
食い気味に前のめりになるのでもなければ、一歩引いて冷めた目で見るのでもなく、あるがままに真っ直ぐに、けれど自分の信じた軸で立ち続ける為に回転をし続ける。
これがもっとも柔軟で、成長が早く、楽しく生きていける商品企画の姿勢なのです。

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