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料理は火加減、企画も火加減

好きこそものの上手なれという言葉があります。
商品企画を担う人材は担当カテゴリーに深い造詣と愛着があるべきかどうかは議論すべき話題です。
造詣と愛着があれば情報感度も自然と高くなりますし、率先した行動も取れます。
自分自身をn=1としてアイデアを出すこともできるので良いことづくめのようにも見えます。
一方、思い入れが強くなるあまりに近視眼的になってしまい、一部のマニアにしか伝わらない細かなことにリソースを割いてしまうリスクを伴います。
思い入れはなくともプロとしての意識があれば客観的に物事を捉えてより良い成果を出せるかもしれません。

造詣や愛着は言い換えれば情熱です。
情熱の炎という表現があるように、それはエネルギーである一方で、扱い方次第で危険を伴うものです。

これは料理とよく似ています。
料理も炎というエネルギーをうまく制御して行います。
全てが強火では表面だけ焦げて中が生だったり、消し炭になってしまったりします。
重要なのは火加減です。

造詣と愛着を持った人が商品企画にあたるべきか。
その議論の答えは間違えなくYESです。
どんなに理屈を重ねて知識を増やしても、熱狂している人の持つ知識、関心、行動力には遠く及ばないからです。
ただし、熱狂しているだけの人は商品企画にあたるべきではありません。
火加減を細かく調節できないと様々な料理ができないように、思いの強さは出しどころを弁えないといけないからです。

商品企画における「好きこそものの上手なれ」は好きなものに携わるからこそ、力加減を上手になれ、という意味合いがあるのです。

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