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人体とマーケティング

我が社の成長の為にはマーケティングをしなければならない。
ドヤ顔でそんな話を降ろされるとガッカリしますが、中小零細企業や伸び悩む企業では珍しくない光景です。
満を持してのマーケティング部発足、一年後には解体されるまでがワンセットだったりします。

「マーケティングせよ」
この言葉は曖昧な上意下達を実現する魔法の言葉です。
多くの場合、その「マーケティング」は市場調査であったり、製造と販売の連携であったり、webを通じた販促活動をだったりします。
具体的にこれをすれば課題が解決するという見込みが立っていない為、便利な言葉に頼ってしまうのです。

下っ腹が出てきたから痩せないと。
マーケティングをせよという指示はそんなダイエットへの意気込みと似たようなものです。
運動をしてエネルギー消費を増やすのか、食事を変えてエネルギー摂取を減らすのか、筋肉をつけて日常的な消費が減るようにするのか、栄養バランスを変えるのか、何の為に何をするかをセットで考えなければダイエットはできません。

一方、マーケティングというものはダイエットではありません。
生物で考えると生命活動そのものです。
ビジネスは企業の生命活動であり、それを効果的にするのがマーケティングです。
太り始めた人に生命活動をせよと言われても何をすればいいのか見当もつかないのと同じです。
一日当たりの歩数が少ないので一万歩歩きなさいとか、糖質を摂りすぎているから間食を控えなさいと言った具合に具体的な言葉にしなければ出てきた下っ腹を収めることはできないことでしょう。

マーケティングが必要。
マーケティングが足りない。
マーケティングをしよう。
生命活動が必要。
生命活動が足りない。
生命活動をしよう。
見比べてみるとどのくらい曖昧なことを表現しているのかが分かるはずです。

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