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【どんな相手も攻略できる?】抽象化力が私たちを最強にする話

「具体と抽象」というテーマを、
これまで考えたことはあるでしょうか。
私は一冊の本を手に取るまで深く考えたこともなく、ある一部の賢い人たちがよく使うセリフ、という程度の認識でした。

先に本からご紹介します。
細谷功さんの「具体と抽象〜世界が変わって見える知性のしくみ」という作品です。読書好きな方はすでに読まれていたり、聞いたことがあるかもしれません。

私はこの本を読んでから、物事の捉え方が怖いくらいに変わりました。モノ、コト、ヒト、すべてが「具体と抽象」という方程式の中で成立している、そんな感覚です。つまり、式に当てはめれば答えが出るし、逆に出したい答えがあれば、それを導くための式を組み立てることができるのです。

今回は、そんな最強な武器「抽象化力」について、皆さまに共有できればと思います。

私たちが考えることのほとんどは「具体と抽象」である

まず、私たちの私生活の中に潜んでいる「具体と抽象」についてお伝えしていきます。

たとえば、
「今日の夕食は何にしようか」と考えます。
次に、「カレー、肉じゃが、ポトフ」など、冷蔵庫にある食材を組み合わせたメニューを思い浮かべたとします。ここに「具体と抽象」があります。
「夕食:抽象」、「各メニュー:具体」といった具合です。とても簡単な例ですが、この構造はその他あらゆる考えごとにも当てはまります。

さらに、「カレー」といっても「バターチキンカレー、キーマカレー、ドライカレー」と、味の種類が豊富にあります。この場合、「カレー:抽象」、「各種カレー:具体」となります。

このように、私たちの生活に潜む「具体と抽象」は、場面に応じて様々な「具体」「抽象」レベルで存在しています。そしてこの抽象度が高ければ高いほど、解釈の自由度が増えることになります。

たとえば、
「夕食」の抽象度を上げると「ご飯」になります。
「ご飯」と聞くと、「朝・昼・夕」の食事をイメージする人もいれば、レストランの「定食」をイメージしたり、様々ですよね。このように、人によって解釈が変わる可能性がある場合、抽象度か高いといえます。

人と話が噛み合わないときは相手の目線を考える

仕事で意見が対立したり、パートナーとすれ違ったり、どなたでも一度は経験があるかと思います。実はここにも、「具体と抽象」が潜んでいます。

たとえば、子どもと対話をするときの場面です。
言葉を話し始めるとき、子どもはまず個別具体的なものから認識して覚え始めます。「アンパンマン」「赤」「りんご」のように、お母さんやお父さんと言葉を繰り返しながら、だんだんと上達していきますよね。
そして成長していくと、「アニメ」「色」「くだもの」と認識できる言葉の抽象度が上がります。

つまり、言葉を覚えたての子どもと対話をするときは、お母さんやお父さんは無意識に同じ目線に立って、具体レベルを下げた言葉を発しているため、子どもとの対話が成り立つのです。

この目線を合わせる考え方は、大人同士でも応用できます。
取引先とのやりとり、パートナーとの意思疎通、全てにおいて、相手がどの抽象レベルで言葉を発しているのか把握し、それに合わせることにより、会話のキャッチボールが成り立つのです。
逆に言えば、話が噛み合わないと感じるとき、それは両者の目線の抽象度が異なっている、という気づきに繋がります。

目標を設定したときこそ、「具体と抽象」が生きてくる

理想のあの人に近づきたい、○○ができるようになりたいなど、人生を進めていく過程で、だれしも目標を掲げるタイミングがあると思います。そんな時に生きてくるのが、これまでお話してきた「具体と抽象」の考え方です。

これは、山登りに例えると分かりやすいです。
「あの山の頂上に登る」という目標を決め、登るためには具体的に何が必要なのかを考えていきます。登山用の衣服や靴を揃えたり、登るルートを調べたり、登り切るための準備をはじめます。もうお気づきかと思いますが、抽象的な目標に対して、具体的な行動が伴っている状態です。

目標の達成を目指すとき、具体的に何をすべきかを考えて言葉にする作業が、とても重要になります。そして、言葉にした内容の具体レベルが下がるほど、明日から取り組めることが自ずと見えてきます。

さらに、抽象度が高い目標であるほど、その過程で起きた失敗は気にならなくなります。
たとえば、登山中に滑って擦りむいたとします。その瞬間は痛くて辛いけど、脚を骨折してしまうなどの大怪我ではありませんので、登山は続けられます。

このようにして、
私たちが掲げている大きな夢や目標も、
一見現実からはほど遠く、叶うイメージが湧きにくい状態にありますが、より分解して作業の具体レベルを下げていくことで、着実に叶える方向にすすむことができるのです。

おわりに

いかがでしたでしょうか。
本文を書くきっかけとなった「具体と抽象〜世界が変わって見える知性のしくみ」には、まだまだお伝えしきれていない「具体と抽象」の世界観が、図やイラストとともに分かりやすく説明されています。
この本を一度読むと、日常がより立体的に見えてくると思いますし、具体レベルでモノを見ている時に比べて、格段に豊富なアイディアを思いつくようになります。

この本を手にとってから、私が毎日のように感じている「アハ!体験」を、みなさまにも感じていただければ幸いです。

※本のタイトルにアマゾンのリンクを埋め込みました。よろしければご参照ください。アフィリエイトではありません。

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