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THE ORAL CIGARETTES『FIXION』

2016年1月5日リリース、THE ORAL CIGARETTESの2ndアルバム。

2回ライブを観た事があって、どちらも夏フェス。ライブハウスでは観た事がないんだけど、音源は出るたびにレンタルして1周は聴いていた。

その中でとんでもなく好きな楽曲に出会ったら、その1曲を何回も聴く‥。そういうアーティストが僕は多い。

J-WAVEの『MUSIC FUN!』という番組の中でVo./Gt.山中拓也が進行していた回、話の聴き手としてトークが上手くて面白かった。そんなきっかけだけど、音源を聴き返してみたくなって、無作為にこのアルバムを選んだ。


M1.「気づけよBaby」何年か前に友人がよくカラオケで歌っていて知った曲。アルバムの曲だけどPVもある。Vo./Gt.山中のカッティングとその後ろでGt.鈴木の小刻みなリフが乗る。

Aメロ、"語らない男が好きって 逆に語る女は身勝手です" に共感。サビの詞では君をずっと陰で見ているから、君も気付いてよと密かな想いを歌う。陰→陽の一方的な感情をポップな歌メロに乗せていて、絶妙な心地よさを感じる。


M2.「狂乱 Hey Kids!!」シングル曲。この曲でドカンと売れたように思う。当時バイト先のTSUTAYAでかなりプッシュされていたし、サビ部分だけ流れていたけど1発で好きになった。まさにキラーチューン、説明不要。


M3.「MIRROR」M1.と同様にギターのフレーズが特徴的な楽曲。歌の所々に合いの手が入るのでライブが楽しい曲だと思う。間奏ではギターソロを入れるのではなくて、ジャムセッションする時みたいなフレーズ(用語わからない)で良い感じ。


M4.「STAY ONE」わりと王道のコード進行とメロディーと詞で構成されているという印象。イントロはダークな雰囲気の曲が始まる予感がしたけど、その他は意外と明るい。闇から光へ誘う詞、ただ一人の人なんだよと肯定してくれる。


M5.「エイミー」シングル曲。この曲も持ち味のダークさは無くて、というよりこういう楽曲も結構多く作っているのかなと思う。本当にストレートな恋愛ソングという印象。

シングルだから幅広い層に寄せたような感じもあるけど、歌メロが好みなので繰り返しているうちに気に入ってくる曲。


M6.「マナーモード」2曲連続で王道な楽曲が続いたので、この曲が来た時はこれこれ!と思ってしまった。そのギャップを狙っての曲順なのかもしれない。ダークで奇妙なギターフレーズと面白い言葉遊びを詰め込んだ曲こそ、オーラル節だと思っている。

"一万回の後悔で 百いくつの名声を得るなら 一万回の崩壊を選びたい" は、挑戦的で挑発的なフレーズで秀逸。凡人代表として言い換えれば、"10回失敗して1回成功しよう"と解釈する、それでも良いと思う。


M7.「通り過ぎた季節の中で」間髪入れずに歌から始まったので、思いもよらないCメロが始まったのかと思ったけど別の曲。

聴いた印象から、暖かくなってきた春先の切なさを感じた。実際に詞も春を題材としていたし、やっぱり春って寒い冬から逃れたものの少し感傷的な時期でもあるなあと。このアルバムの王道路線の楽曲の中では結構好きな曲。


M8.「カンタンナコト」シングル曲、ただしライブ会場やフェス会場限定での販売となっていた曲。2015年のRUSH BALL、山中のMCで「絶対に買えとは言いません、自分の意志で決めてください」と言っていたのを覚えている。

演奏に関してはここまで聴いてきたオーラル節が詰め込まれていて、サビでの合いの手は楽しい。けど、詞のテーマ的に楽しむような曲ではなくて、"死にたい"という鬱な感情や、すぐに"助けて"という他力本願な言葉も簡単に言うなと、聴き手に喝を入れるような詞となっている。

M9.「A-E-U-I」どういう事なのかは各々の解釈になると思うけど、僕は分からなかったけど、これがアルバムの表題曲となっている事は確か。詞の中にも"想像力と理想 感受性もいっそ この一瞬にかけてさ"と言っているので、‥そういう事だ。

M10.「Everything」最後を飾るのは、君のために僕が命を絶つからと言い放つほど溺愛した恋愛感を歌う。この手の詞にあまり共感出来なくて、詞においてはM4.や5.の方がまだ肯定的で好き。アルバムの流れ的にはこの曲調の方がしっくり来るけど、切り離して比べるとM5.の方が良かったり。

オーラルは基本的にどのアルバムを聴いても聴きやすい楽曲が並んでいるバンドだと思う。リリースするシングルは毎回キャッチーだし、頭で考えるより前に楽曲の勢いにいつも呑まれる。

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