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サンボマスター『新しき日本語ロックの道と光』

2003年12月3日リリース、サンボマスターのメジャー1stアルバム。

ドラマ版『電車男』の主題歌で「世界はそれを愛と呼ぶんだぜ」が起用されていたのがきっかけで知る事になったバンド。

見た目のインパクトが先行したけれど、熱いメッセージと掻き鳴らすような全力で演奏するシーンを観て、気にならずにはいられなくなった。

他にもアニメ『NARUTO -ナルト-』のOP「青春狂騒曲」もあったし、以前から話題になっていたんだと思った。中学3年ぐらいだったと思う。

高校生になってから幅広く音楽を聴くようになって、僕はこのアルバムを手に取った。『新しき日本語ロックの道と光』‥渋い!

まあ同時期にハマったガガガSPなんてもっと渋かったし、聴いてみないとどんな楽曲が収録されているか分からない、と思って迷わず聴いたのを覚えている。

大人になった今、好きな曲は再生するけど、アルバム全体を通して聴く事は無くなっていたので、今回聴き返す事に。

M1.「愛しき日々」ギターのイントロが聴こえた瞬間、もっと大音量で聴きたくなってボリュームを上げる。初っ端から期待通りのVo./Gt.山口の暑苦しい歌声が迫ってくる。

サビの詞がシンプルな叫びで、色々あったけどとにかく発散するような、君だけなんだと主張する叫び。耳をつん裂くような鋭い音でギターソロが始まる、ここで一気に持っていかれる。カッコいい。


M2.「そのぬくもりに用がある」このアルバムの中で1番好きな曲。初めのギターリフ、若干のブルースぽさがあるフレーズでお気に入りだ。歌メロや、リズム隊の演奏の安定感とか、全てにおいて完璧だと思う。

中盤の台詞からオイ!オイ!と盛り上がる所なんてじっとしていられなくなるぐらい熱い。ロックンロールはこうでなきゃ!と思わされる。


M3.「人はそれを情熱と呼ぶ」コード進行がオシャレだと思ったし、ギターのカッティングが凄く巧い。よくこんなの弾きながら歌えるなあと思ってしまう。

山口のキャラクターが注目されがちだけど、ギターも歌も本当に巧い。それでもって詞は相変わらずストレートで熱い。


M4.「夜汽車でやってきたアイツ」サンボを少しジャンル分けするなら、ブルースやソウルの要素が入ったロックンロール‥と勝手に思っている。

この曲のギターの演奏、ソロなんかがパンクロックのような感じで、なんとなくガガガSPの楽曲のテイストを感じる。実際に親交もあるし、歌詞カードでは前書きもしている。けど、サンボは完全なパンクロックというより、もっと技巧派な印象だ。


M5.「残像」ここまで聴いていて、やはり耳がギターの音に注目して聴いてしまっている。それほどまでに山口の演奏が凄い。2番の詞で、

"ここに集まったのは悲しみの花かよ その花が本当に咲くというのならば 悲しみの果てまで行ってやるぜ 本当に咲くのなら その花が咲くのなら"

と歌っていて、本当に男らしい優しい一面を魅せる。俺が全部その悲しみ一緒に背負って行ってやるぜって事だと思う。


M6.「この世の果て」演奏時間6分半、ゆったりとしたテンポの中、ギター演奏の様々なテクニックを垣間見る事が出来る。エフェクターに詳しくは無いけれど、色んな効果を使用して巧みに楽曲の良さを引き立てている。

前曲でも、悲しみの果てまで行っちまおうと歌い、この曲でも全て忘れて越えて行こう、そして再び会うんだという希望を歌う。過去に別れを告げて、新しい自分と対峙する。これが一貫したテーマなんだろう。


M7.「さよならベイビー」この曲も昔から大好きで、ライブに行った時にも演奏してくれてかなり嬉しかった思い出がある。もはやこの曲を楽しむのに理由とか小手先はいらないと思う。誰が歌ってもいい、そこにロックがある限りロックするだけだ(深夜にこの下書きを書いているのでテンション高め)

M8.「Oh ベイビー」前曲の延長戦のような題の楽曲だけど、曲調は異なる。めちゃくちゃやった後はやや理性的に、少しずつ大人になっていくんだぜと歌う。盛り上がり所と大人しくなる所がハッキリしていて聴く側も忙しい。ギターソロが相変わらず最高。

M9.「それでもかまわない」イントロから、またまたミドルナンバーかと思いきやすぐに熱量全開になる。サビの詞で、表向きに自分を偽る事はもうやめるんだと決意する、それでもかまわない。やりたいようにやればいい。

M10.「朝」この曲も確か初めてライブに行った時に聴いた曲で、初めの全楽器がガァーっと音を鳴らしながら、山口が叫ぶシーンを鮮明に覚えている。照明の演出も後光が掛かるような感じだったし、めちゃくちゃソウルフルだった。

ここでの詞においても、朝を迎えたらあなたに伝えたい事があると歌っていて、過去の過ちや後悔を全てロックンロールの中に吐き出して、新たな自分への光を見出すという歌を歌い続けている。

どれもが聴き手を勇気づける物だけど、あくまで山口自身が本人に向けて書いた物のような気がするけれど。感動していたのに、この曲のボーナストラックでは全力でハードコアをやっていて笑った、音がうるさすぎる。笑


初めてライブに行ったのが2010年の2月14日でバレンタイン当日。まだ大阪のクラブクアトロが心斎橋にあった頃。対バンはガガガSP‥なんて男臭い。笑

もちろん客も男のファンが多かったけれど、7:3ぐらいだったと思う。慣れていなかったモッシュで追いやられて、演奏とか全く見えなかったけどとにかく楽しくて汗だくで帰ったら翌日から高熱でうなされたの覚えている。

あれから10年以上経ってしまったのか‥とか、そんな事を思い出したりした。

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