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9mm Parabellum Bullet『VAMPIRE』

2008年10月15日リリース、9mm Parabellum Bulletの2ndアルバム。

昨日、a flood of circleを聴いていて、あの頃は他に何をよく聴いていたかな‥と思い返すと9mmが出てきた。周りでも聴いている人が多かった。

特にこのアルバムが出た時の勢いが凄くて、今で例えたらどのバンドになるかな‥ちょっと思いつかないけど、演奏技術がズバ抜けていて、かつ男臭さもあるけど男女共に支持されてたという印象。


M1.「Wonderland」両A面シングル。アニメ『RD 潜入捜査室』OP曲。観ていないのでアニメソングとしての印象がない。OPだけ観たけど面白そう、曲のイメージ通りSF寄り。配信とかてたら観てみようかな。


M2.「Vampire Girl」このアルバムの表題にもなっている曲で、一度聴くとしぶとく耳にこびりつくギターフレーズ。この曲のミソは、何と言っても序盤の台詞にある。

こういった演出がダサいと感じる人も多いけど、僕は逆に台詞のある曲はわりと好きな方だ。音源なのに歌声じゃない地声を聴けるし、比較した時のギャップが面白くて。笑


M3.「Trigger」大切な人の為に引き金を引き続ける男の曲。普通の解釈だと戦争を連想するけれど、

"生まれた国へ帰れるはずが ここに来てから笑顔まで奪われた" の部分で、日常生活に置き換える事も出来ると思う。

"いつの間にか俺の笑顔 奪ったのは誰だ"は、ある意味社会的に殺されたような感触すらある。


M4.「Keyword」初っ端から始まるサビの歌メロがキャッチーでなかなか好みの曲。9mmはGt.滝の演奏力の評価が高い。

どの曲でも凄まじく上手い、この曲では高速のタッピングを堪能出来る。Vo./Gt.の菅原のギターもなかなか忙しいと思う。


M5.「Hide & Seek」テンポがかなり速く激しい楽曲。歌謡的な歌メロや独特のギターフレーズが特徴的なバンドだけど、根源にはこういったハードコアな面がある事を思い返す。

初めて9mmを聴いた時の「Discommunication」という曲でも最後はこんな感じだった。


M6.「The Revenge of Surf Queen」このアルバム唯一のインスト曲。

skit的なトラックではなく、3分間濃密な演奏を聴かせてくれる。ギターのメロ部分に歌詞をつけて歌っても違和感は無さそう。


M7.「Supernova」M1.との両A面シングル。この曲のリリース時はかなり勢いがあったと思う。mixiのコミュニティでも盛り上がっていた。

前作のアルバムがカッコ良くてライブもヤバいという口コミが広がっていっている頃で、邦楽ロックファンはこぞってチェックしていた。ギターも歌も文句なくカッコいいし、当然ながらリズム隊の安定感もある。


M8.「Faust」演奏時間5分超えは、このバンドの曲の中では長い方だと思う。"本能"という先天的な性質をテーマにした詞はこれまでに様々なミュージシャンが書いている。アダムとイブが登場するのはもはや使命なのかもしれない。

"吠える事を忘れた犬 巣に戻れない蜂の群れ 本能を忘れて迷い続けている" からの"どれだけ歩き続けても ここにいるただの自分が抱きしめられない 抱きしめたいのに"が、リンクしていて、詩人だなと感心する。


M9.「悪いクスリ」題からはネガティブな印象が先行するが、曲調やリズムは少しコミカルでついついリピートしてしまう曲。

詞は分かりやすいし、Aメロなんて昭和歌謡っぽさも感じられて聴きやすい。演奏する方も楽しそうだ。


M10.「We Are Innocent」疾走感のあるハードコアなナンバーだけど、ギターの敢えて忙しそうに感じさせるようなフレーズが楽しい。

詞は何となく『トムとジェリー』を想起してしまった、だからイノセントなのかな‥とか。それだけで何故かコミカルに聴こえる不思議。


M11.「次の駅まで」アルバムの中で1番ゆったりしたテンポで演奏される曲。思えば11曲目までひたすら激しかった事にここで気がつく。この曲も決して大人しくはないけれど、ちょっと気を抜いてしまう。

次の駅というか、最後の曲もなかなかなので、ゆっくりしておかないと。


M12.「Living Dying Message」1番最後は、超アッパーなキラーチューン。これは初めて聴いた時から大好きで、9mmを今後も聴いていくぞと確信した1曲。

演奏技術が凄いというのは、楽器を演奏した事のない人からすれば余り分からない事だと思うけど、9mmに関しては何か凄いという事は伝わりやすいみたいで。高校生の頃の僕でも察知した。


このアルバムは、インディーズのミニアルバムや1stアルバムの頃よりも菅原の歌唱力が上がっていて、楽曲も洗練されている。この後、もっと歌が上手くなっていき、いずれはソロアルバムも出す事に‥それはチェック出来ていないけど‥!

9mmの作曲は主にGt.滝が行っているようで、ライブでのギタープレイが凄いだけでなく、作曲能力も高い。そこに菅原の書く詞が曲と調和して面白い楽曲が生まれている。

久しぶりに聴き込んだけど、カッコいいものはいつまで経ってもカッコいいな。

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