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【実話怪談26】真似できない除霊方法

九州在住30代男性の話。

彼が住む部屋は当初、心霊現象、例えば人の囁く声やラップ音が多発していた。だが好物件であるため、転居は嫌だから策を講じた。

自分の身体に、刺青を入れたのだ。

お腹の真ん中に、「生成(なまなり)」の顔を彫ってもらった。生成とは、2本の短い角を持つ、耳なしで三白眼の鬼女である。その形相は見る者を睨みつけ、口を大きく開き口角を吊り上げ、歯を剥き出しにしている。大きさは、成人の顔の実物大くらいだ。誰かの助言を受けたわけではなく、自分で発案し、決行したそうだ。

以降、心霊現象はピタリと止んだとのことである。

・・・
(補足)
怨念や憎悪により女性が鬼神への変化していく過程には、3段階あるとされる。具体的には、

生成(なまなり)

中成(ちゅうなり)

本成(ほんなり)

の順に憤怒度が増す。

生成は怨念の初期段階ではあるが、表情に人間味が残っているぶん、リアルに恐怖を感じる。余力ある方は画像検索されたい。上記の各段階に対応する能面の画像が多数ヒットする。

なお、中成の状態をいわゆる「般若」といい、本成は「真蛇(しんじゃ)」とも呼ばれる。般若→蛇→真蛇と段階を細分する説もある。

蛇に変化するといえば、「清姫」の話が有名である。


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