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取材した怪談

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私が取材した心霊的・不可思議現象の話です。
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2022年9月の記事一覧

【取材した怪談243】焦る座敷童子

「私の実家、事故物件かもしれません」 そう切り出したのは二十代女性Aさん。 彼女の実家は古く特殊な構造の二階建てで、契約上の理由から二階部分は使えないことになっている。清掃などの管理をするために二階に行くことはでき、二階は普段は無人である。 「私は夜あまり眠れなくて、睡眠時間は3から4時間ほどでしたね。私が10歳ぐらいの頃、一階の私の部屋の真上から子供の声が聞こえてくることがありました」 彼女の部屋の真上は二階の和室で、夜11時から2時ぐらいにかけて男児と女児の笑い声、

【取材した怪談242】楽しそうにすると出てくる

40年ほど前の話である。 慎一郎さんが通っていた高校では、少々珍しいスケジュールの修学旅行が実施されていた。 N県に二泊三日で旅行するのだが、宿泊先はクラスごとに生徒が自由に決めていた。だから宿泊先はクラスごとにバラバラになる。 但し、二日目に所定の場所で必ず田植え実習を受けなければならない。田圃に直に入り、手で苗を植える実習である。この実習場所を考慮して宿泊先を決める。 慎一郎さんのクラスは、A旅館に宿泊した。 インターネットなど普及していない時代だから、生徒の一人が