【実話怪談44】入りたい
「母は霊が見える人なんです」という女性Uさんから伺った話。
今から25年ほど前の夏、F県北部に家族で引っ越した。
引っ越し後間もなく、Uさんの母親は転入手続きのために町役場に赴いた。燦燦と照りつける太陽の下、役場に続く小さい商店街を歩いて進む。平日の田舎道のため、人通りは多くない。
商店街を直進しているとき、後ろを誰かが歩いているのに気付いた。
店のショーウインドーに自分が歩く姿が映っているのだが、その数メートル後ろにスーツを着た50代ぐらいの男性が映っていた。真面目そう